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恋愛リアリティショーを越えたヤンキー生き様リアリティーショー『ラヴ上等』ここに爆誕【ネタバレ有・ラヴ上等1〜4話】

2025.12.10 Vol.Web Original

 Netflixで新たな恋愛リアリティーショー『ラヴ上等』が配信中だ。本作は、配信前からSNSで「これまでの恋愛リアリティとは一味違う気がする」と話題を呼ぶでいた作品でもある。

 コンセプトは「ヤンキー×恋愛」。事前に公開された画像でも、腕一面に和彫が入った女性に、あからさますぎるほどのヤンキーファッションに身を包んだ男性など、これまでの恋愛リアリティショーに出演していた“キラキラな美男美女”とは程遠い面々が並んでいた。

 これはリアルなのか、フェイクなのか……。プロデューサーはタレントで自身も「元ヤン出身」を自称するMEGUMIが務めており、MCには素行不良で少年院にも行ったことがあるAK-69、そして「恋リア嫌い」を公言するお笑い芸人・永野も並ぶ。

 どうなるのか全く読めなかった新・ヤンキー恋愛リアリティーショーの序章として、まずは第1話〜第4話が配信に。ヤンキーたちの生き様、予想外の涙……老若男女が楽しめる恋愛リアリティがここに爆誕した。


【第1話】嬢と漢、ヤンキー圧巻の登場シーン

 

 2025年が終わろうとしている今、世間は「平成レトロブーム」の真っ只中といえる。女性の間では、Y2Kブームの流れから、平成ギャルファッションにも再び注目が集まっている。ヤンキーも、消えつつあった「昭和〜平成らしさ」の一つでもあったと言えるだろう。

 もちろん、未だに特定の地域では幅を利かせているヤンキーもいるのかもしれないが、その姿を見なくなって久しいという人も多いはずだ。そんな中、本作では1998年リリースのglobeの名曲『Love again』をオープニングに、特攻服の漢ヤンキーがバイクの“ニケツ”……つまり、2人乗りで登場。近年、久しく見ていない光景である。

『ラヴ上等』では、社会のはみ出し者として生きてきたヤンキー男女11人が、14日間の共同生活の中で本気と書いてガチと読む、マジの愛を学んでいくことになる。

 登場人物の紹介シーンも圧巻だ。最初に登場したのは、栃木の暴走族“暴霊”の12代目総長を名乗る漢・つーちゃん(30)。無免許で車を乗り回すなど、悪いことは一通りしてきた彼の最終学歴は、自身いわく「もちろん少年院」。現在の仕事もキャバクラ経営ということで、まさにヤンキーその後のイメージ通りだ。

 続く漢・2人目は川崎で暴走族チーム“達磨”を立ち上げた元総長・ミルク(22)。現在は内装業に従事しているとのことで、現役時代の気性の荒さはある程度落ち着いているのかと思いきや、教室に入るやいなや、つーちゃんと机を蹴り上げてメンチを切り合う。

 この他“京都最強の喧嘩師”である二世(27)、元クラブセキュリティーのタックル(24)、元インテリヤクザのラッパー・ヤンボー(30)など、目を疑うほどに壮絶な人生を歩んできた参加者が集まった。

 女性メンバーも負けていない。海外で逮捕された経験のある学生キャバ嬢・おとさん(22)は、背中から腕一面に刺青が広がる。施設育ちのBaby(25)は、周囲の人間に対する殺意で格闘技を習ったという。その他、地下格闘技選手のてかりん(21)、メイク講師のきぃーちゃん(23)も、学生時代は何度も暴力沙汰の問題を起こしてきたと語る。

 こんなメンツが集まって恋愛……?というギャップこそが「ラヴ上等」の見どころとも言える。今もヤンキーらしい風貌を保っている男性陣と比べると、女性は一見よくいるギャルに見えるメンバーも多いが、はぐれ者だった彼らは、心にどこか傷を追っている人たちとも言える。

 学校での共同生活が始まると、一般の恋愛リアリティーと同じようなプログラムも用意されている。まずは仲良く夕食作りをするのだが、画面いっぱいにヤンキーが広がっていると、手でこねているハンバーグがどこか浮いた存在のようにも見えてくる。

 MCとしてMEGUMIが「彼らは感情に素直だから」と話す通り、夕食の準備も普通には進まない。私たちの知る日常では、こういった共同作業中に、サボっている人がいたとしても、誰も声を発しない。むしろ声を上げた方が煙たがられる時すらあるだろう。

 しかし、自身の感情にまっすぐなヤンキーたちは、おかしいと思ったことをそのまま口にする。その結果喧嘩になることもあれば、自分の非をしっかりと認めて謝れることもある。サボりを二世にはっきりと責められたミルクは、責任を取ってきっちりと謝罪した。

 夕食を食べながらの身の上話も、あまりにも鮮烈だ。施設育ちのBabyは、複雑な環境の家庭で育ち、小学校もろくに通えていなかったことを淡々と話す。海外で逮捕経験のあるおとさんは、親元が厳しかったからこそ、反発でグレてしまったことを語る。

 このダークさと、ヤンキーたちが魅せる人間性のギャップが面白い。喧嘩はしても、生肉を触った手では殴らない、シーンが変わればさっきの喧嘩もカラッと忘れるなど、殺気立ちやすいヤンキーたちも、その時の自分の感情に則って行動していることが伝わってくる。第一話は、恋愛模様以上にそれぞれの人間性に注目しながら見ていってほしい。

〈ラブ トランジット 2〉楽しかったあの頃に戻れる?元恋人と参加する恋愛リアリティは波乱の連続〈アラサー女子と考える ラブトラ2 第1話〜4話〉

2024.08.25 Vol.Web Original

 Prime Videoで配信中の新作恋愛リアリティ番組、Amazon Original『ラブ トランジット』シーズン2。かつて恋人だった5組の男女が、約1カ月間のホカンス(「ホテル」と「バカンス」をかけた造語)を通して、過去の恋と新たな出会いの間で揺れ動く姿に迫る。参加者の中には元恋人への未練を抱え“復縁”を希望する人、元恋人と参加はしているものの、新しい恋への希望を抱く人も。元恋人とのグレーな関係を引きずったままに始まる共同生活は、どんな激しい色彩を纏うのか。アラサー女子が2人で意見を交換する。

未練がなくとも元恋人を意識せざるを得ない仕掛け

 

 語り手は、筆者である32歳のフリーライター女子(A)と、その親友である34歳の教育関係女子(B)。お互いに関係の落ち着いている恋人・パートナーはいるものの、恋愛している時の感情の高ぶりに、想いを馳せることもままある。

 シーズン2となった今回も、メンバーの年齢や職業は明かされず、ブラインド状態で初対面を迎える。元恋人同士は面識がある上、一週間前には再会を果たしている。しかし、そのことを悟られないように振る舞わなくてはいけない。こういう場で男女は、全くと言っていいほど、真反対な対応を見せる。

 まるで独り言のように「いい天気ですね」とつぶやくマサヤ。人目があるからなのか、元恋人への未練も、新しい恋にときめく様子も感じさせない、自然な振る舞いだった。対する女性陣はかなり落ち着かない様子で、口元だけに笑みを浮かべつつ、下を向いたり目を逸らしたり……気まずさを態度で示していた。


恋人からのメッセージを読んで涙を流したエリカは、復縁希望者なのか?

A:こういう時って意外と、男性の方がしっかりしてるね。人目があるからこそ、自分の情緒を態度に出さない。男女というより、感情的かどうかなのかもしれないけど。
B:エリカは元恋人からの手紙を読んで、泣いちゃってたね。未練があるからなのかな……?

 ラブトランジットの見どころは、新しい恋の行く末よりも、元恋人との関係だったりする。集合前の再会、チューリップで表す未練の気持ち……番組によるエモーショナルな演出もあり、紫色のチューリップの本数以上に、動揺を隠しきれないメンバーも多い。

A:元恋人を紹介する手紙って、ずるいよね。周りにその子をおすすめする内容を書くわけだから、自然と内容がポジティブになるじゃん。
B:ただでさえ、終わった恋なんていいところの方にばっかり目が向くのにね。少なくとも友達以上に近い距離だった人からの紹介文なんて「やっぱ分かってるな〜」以外の感想が出る気がしない。
A:全然未練なくても、手紙の内容がよかったらちょっと意識しちゃいそう。


10本中2本の紫のチューリップは、復縁希望者の数

俳優にとって「キスシーンは仕事」か? Netflixの新恋愛リアリティ『韓国ドラマな恋がしたい』の魅力を恋愛ライターたちの語りから探る!

2023.11.27 Vol.Web Original

 人気恋愛リアリティシリーズ『恋愛ドラマな恋がしたい』(ABEMA)の舞台を韓国に移し、Netflixで11月28日から独占配信される『韓国ドラマな恋がしたい』。その配信に先駆けて、各メディアで活躍する恋愛・ドラマライターたちが試写会に参加した。

「恋愛ドラマな恋がしたい」シリーズは、“恋愛ドラマの共演をきっかけに恋は生まれるのか”をテーマに、若手俳優が毎話キスシーンのある恋愛ドラマの撮影をしながら、本当の恋をしていく様を追いかける恋愛リアリティショー。『韓国ドラマな恋がしたい』では、参加女性が若手から中堅・ベテラン俳優に刷新され、男性陣はなんと韓国現地で活動する俳優たちに。注目の恋愛リアリティの見どころを、恋愛コラムニストたちの視点から提案する。

キスシーン経験の多い俳優陣は、キスで恋に落ちるのか

「恋愛ドラマな恋がしたい」シリーズは参加メンバーに若手が多かったこともあり、新たな“推し俳優探し”や“恋愛ドラマの共演をきっかけに恋は生まれるのか”というテーマそのものが見どころとなっていた。

 しかし、今回の参加女性は芸能歴の長い女性が多く集まった。座談会でも、参加メンバーに着目した意見が多く出た。連続テレビ小説『あまちゃん』や映画『寝ても覚めても』などに出演していた山下リオ、元E-girlsの坂東希など、10代から活動を続けるメンバーが集まった。そこで、見どころは“演技経験の長い俳優たちも、恋愛ドラマの共演をきっかけに恋をするのか”にシフト。仕事で何度もキスシーンを演じてきた彼女たちは、恋愛リアリティショーという仕掛けのもと、どんな表情を見せるのか。いつもどおり、仕事としてキスシーンを演じきるのか。はたまた、普段は見せない素顔を見せてくれるのか。

 また何といっても、韓国俳優たちの参加はこれまでと大きく違うポイントだ。元超新星で現在はSUPERNOVAのメンバーで俳優のソン・ジヒョクや日本でも大ヒットしたWEB漫画原作の韓国ドラマ『女神降臨』に出演したキム・ウォンシクなど、実力のある俳優たちを揃えた。言語という大きな壁はあるものの、中には日本語を話せるメンバーも。ロケも韓国現地で行われるため、メンバーたちがどんな交流を行っていくのかが気になる。

 

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