第34回日本映画批評家大賞授賞式が9日、都内にて行われ、主演男優賞を受賞した吉沢亮が同作の4冠に喜んだ。
1991年に水野晴郎が発起人となり、淀川長治、小森和子ら映画批評家たちによって設立された、映画人が映画人に贈る賞。
『ぼくが生きてる、ふたつの世界』で主演男優賞を受賞した吉沢。作品賞、助演⼥優賞、編集賞(浦岡敬⼀賞)との4冠に「この上ない喜び」と感激。
同作では“きこえない・きこえにくい親をもつ聞こえる子ども”コーダである主人公・五十嵐大役で、コーダらしいリアルな手話を披露した吉沢。
その表現力に選考委員も、現在公開中の『国宝』や公開を控える『ババンババンバンバンパイア』と、他の主演作も絡めてたたえられると、吉沢も「他の作品にも触れていただいて」と恐縮しつつ「手話はゼロからのスタート。ただ覚えるだけでなくコミュニケーションの芝居を構築していくのは難しかった」と振り返りチームに感謝した。
同作は、作品賞、主演男優賞、助演⼥優賞、編集賞(浦岡敬⼀賞)を受賞。
助演⼥優賞を受賞した母親役の忍足亜希子も「吉沢さんは撮影2カ月前からリハーサルとして私を含めてろう者のキャストと手話でコミュニケーションをとられていた。コーダならではの表現が素晴らしかった。2カ月という短期間で身につけられたことに今でも鳥肌が立っています」と手話で“息子”自慢。
さらに、父親役の今井彰人も駆け付け呉美保監督に花束を贈呈。吉沢が両親役の忍足と今井に「お2人の手話は愛があるというか初心者の僕にも伝わってきた」と感謝しつつ「実は今井さんとは3歳差」と明かされると、今井がすかさず「吉沢さん、今何歳? 4歳差です」と主張し、会場も笑いに包まれていた。