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楳図かずお「さらに高いところを目指さないといけないなと思った」28日開幕の『楳図かずお大美術展』で27年ぶりの新作

2022.01.27 Vol.Web Original

 楳図かずおの世界を体感できる展覧会『楳図かずお大美術展』が28日、六本木ヒルズの東京シティビューで開幕する。そのオープニングセレモニーが27日、同所で行われ、楳図かずおが出席した。

 さまざまな漫画作品を送り出してきた楳図の芸術性をテーマにした展覧会。4年の歳月を費やして完成させた27年ぶりの新作『ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館』を初公開するほか、気鋭のアーティストらのインスタレーションなどで楳図の世界を表現する。

「天才の証明!マンガノテッペンカラアートのテッペンヘトビウツレ」が展覧会のキャッチフレーズ。

「もともと私は芸術家なんですと言いたいのですが、やっぱりみなさんの認識は漫画というところがありますよね」と、楳図。「だけど、そろそろ一歩上に登って、さらに高いところを目指さないといけないなと思ったわけです。そこにあったのが絵画ということで」と、あいさつ。

 新作については、「なんかやらなきゃと思った瞬間」があったそうで、「そこから4年間じっと耐えに耐えて、しゃべりたいのも我慢して。やっとここに来ました! この日のために4年間があったんだと」と、感慨深げ。

 新作は漫画だと想像した人も多かった。「みんなそうだと思った! おもっちゃった。でも漫画でもあるんです」と、本人。

 新作『ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館』は101枚の連作絵画だ。それぞれが独立した作品でありながらも、連なってストーリーを続き、鑑賞者をハラハラドキドキ、びっくりさせたりもする。

「新しいところをやらないと意味がないと思うんです。(新作を)全部見ていただくと(漫画と絵画)両方の要素があるんですよね。両方のいいところを出せばこんなふうになる、そういう目標でやりました。漫画は連続体で、つなぎの芸術なんです。絵画のほうはここまで、ここまでと、クライマックスしかない。クライマックスにつなぎのある、ドラマ性というか、そういうことを感じ取れる絵。そういうことを思って描きました」

 

楳図かずおの“比類なき芸術性”を表現!東京シティビュー『楳図かずお 大美術展』

2022.01.27 Vol.749

 六本木ヒルズ森タワー52階「東京シティビュー」にて、28日より楳図かずおの世界を体感できる『楳図かずお 大美術展』が開催。

 楳図の“比類なき芸術性”に焦点を当て、代表作を通じ、気鋭のアーティストらと「楳図かずおの世界」を表現するかつてない展覧会となる。原画101点を連作絵画として展示するほか、最大の目玉として楳図が制作に4年を費やした27年ぶりの新作『ZOKU-SHINGO小さなロボット シンゴ美術館』を初公開。

 冒頭では、アート・ユニット「エキソニモ」による『わたしは真悟』をテーマにしたインスタレーションを展示。大量のケーブルが山積する空間に設置された多数のモニターから『わたしは真悟』の作中場面が映し出され、ガラスの向こうに悟と真鈴が頂上から救助ヘリに飛び移った東京タワーが視界に入る圧巻の展示空間が広がる。

 さらに、会場と同フロアにあるカフェ「THE SUN & THE MOON」ではコラボレーションカフェ「UMEZZ CAFE」として、楳図かずお作品や楳図かずおをイメージしたコラボメニューを提供。また、開催を記念した「X-girl」とのコラボTシャツを会場内の展覧会公式ショップで販売。新作『ZOKU-SHINGO小さなロボット シンゴ美術館』のワンシーンや『わたしは真悟』の扉絵のほか、過去に好評だった楳図かずお描き下ろしグラフィックTシャツの復刻など3種類のデザインで展開される。

『楳図かずお大美術展』は東京シティビューにて3月25日まで。

ヨーロッパ企画第39回公演『ギョエー!旧校舎の77不思議』

2019.08.05 Vol.720

 年1回のペースで行われるヨーロッパ企画の本公演ツアーの季節がやってきた。

 昨年は結成20周年ということで、代表作の『サマータイムマシン・ブルース』とその続編『サマータイムマシン・ワンスモア』を交互に上演するという豪華版。11都市で2万4000人以上を動員した。

 そんな周年記念の翌年はどういう企画をやるにしてもどうしても“地味感”が出てしまい難しいものなのだが、結成21年目の今年は新境地ともいえる「オカルト」ものに挑戦というファンを裏切らない企画を持ってきた。

 作・演出の上田誠は「そもそも理系で怪異や怪現象へは懐疑的。そういうことが身に降りかかったり、霊的なものにとりつかれたこともない」とのことで、今回は「フィクションと割り切って」作品を仕上げたという。

 チラシのビジュアルも恐怖漫画の巨匠・楳図かずお監修によるイラストを使用するなど、やるとなったら徹底的。

 これまでも「企画性コメディ」といった特殊なシチュエーションの作品を生み出し続けている彼らによる「オカルト青春コメディ」。多分、怖いのが苦手な人でも大丈夫なはず?

 関東地区では東京公演の後、全国を回って9月28日には横浜の関内ホールに戻って来る。

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