楳図かずお「さらに高いところを目指さないといけないなと思った」28日開幕の『楳図かずお大美術展』で27年ぶりの新作

©楳図かずお©エキソニモ©楳図かずお/小学館

 楳図かずおの世界を体感できる展覧会『楳図かずお大美術展』が28日、六本木ヒルズの東京シティビューで開幕する。そのオープニングセレモニーが27日、同所で行われ、楳図かずおが出席した。

 さまざまな漫画作品を送り出してきた楳図の芸術性をテーマにした展覧会。4年の歳月を費やして完成させた27年ぶりの新作『ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館』を初公開するほか、気鋭のアーティストらのインスタレーションなどで楳図の世界を表現する。

「天才の証明!マンガノテッペンカラアートのテッペンヘトビウツレ」が展覧会のキャッチフレーズ。

「もともと私は芸術家なんですと言いたいのですが、やっぱりみなさんの認識は漫画というところがありますよね」と、楳図。「だけど、そろそろ一歩上に登って、さらに高いところを目指さないといけないなと思ったわけです。そこにあったのが絵画ということで」と、あいさつ。

 新作については、「なんかやらなきゃと思った瞬間」があったそうで、「そこから4年間じっと耐えに耐えて、しゃべりたいのも我慢して。やっとここに来ました! この日のために4年間があったんだと」と、感慨深げ。

 新作は漫画だと想像した人も多かった。「みんなそうだと思った! おもっちゃった。でも漫画でもあるんです」と、本人。

 新作『ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館』は101枚の連作絵画だ。それぞれが独立した作品でありながらも、連なってストーリーを続き、鑑賞者をハラハラドキドキ、びっくりさせたりもする。

「新しいところをやらないと意味がないと思うんです。(新作を)全部見ていただくと(漫画と絵画)両方の要素があるんですよね。両方のいいところを出せばこんなふうになる、そういう目標でやりました。漫画は連続体で、つなぎの芸術なんです。絵画のほうはここまで、ここまでと、クライマックスしかない。クライマックスにつなぎのある、ドラマ性というか、そういうことを感じ取れる絵。そういうことを思って描きました」

 

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