五輪パラの簡素化、削減額は300億円

2020.10.08 Vol.734
 来年に延期された東京五輪パラリンピックの簡素化について、大会組織委員会は10月7日、経費削減を目的に大会の簡素化を進めた結果、全体の削減額が現時点で約300億円に上るとIOC(国際オリンピック委員会)に報告した。  7日、オンラインで開催された IOC理事会で大会組織委員会は、東京大会の進捗状況に関するプレゼンテーションを行い、簡素化に向けた具体案を報告。理事会後の会見でバッハ会長は「大会の準備が最終段階になっている中でこれだけ削減出来たことは大いなる成果だ」とし、削減案を評価した。  大会の簡素化を巡っては、先月行われた調整委員会で、52にわたる簡素化項目・内容をIOCと合意した。この中には、およそ5万人の大会関係者の数を10%から15%ほど減らすなどの人員の見直し、仮設施設の見直し、競技会場や選手村の装飾の見直し、聖火リレーの運営方法の見直しなどが盛り込まれた。東京大会は新型コロナウイルスによる史上初の延期で、1兆3500億円の大会経費にさらに数千億円の追加経費がかかると見込まれており、増大する経費の抑制が課題となっている。  一方、無観客での開催についてはバッハ会長が改めて否定する考えを示した。感染第2波の中でも「(東京大会は)海外からの観客がいることを前提に動いている」とした上で、「ここ数週間、日本国内でいくつかのスポーツが多くの観客を動員していることはとても励みになる」と述べた。ただ「会場を満員にできるか、他の方法を取るべきかは分からない」として、観客数を制限する可能性にも言及。海外からの観客を受け入れるかどうかの判断の時期については「いまは対策を検討している最中で、決定の期限は決めていない」と明言を避けた。

世界陸連のコー会長が国立競技場での世界選手権の開催を熱望

2020.10.08 Vol.Web Original

「東京で最高峰のパフォーマンスが見られると、今からワクワクしている」

 世界陸連のセバスチャン・コー会長が10月8日、2021年に行われる東京オリンピックの会場となる東京・霞ヶ丘の国立競技場の視察を行った。  コー会長は「こちらのスタジアムでは私たちの陸上が開催されるということだが、数年前に見た時とは姿が一変していて非常に感銘を受けた。今回、自分の目で確認することができて非常にうれしく思う。また来年の大会に関しては非常に楽しみにしている」と挨拶した。  競技場については「非常に持続可能性の高いスタジアムで美しいものだと感じた。こちらの会場でアスリートの皆さんが今までで最高のパフォーマンスが実現できるのではないかと思っている」と話した。  前日の7日にはスペインで行われた「ワールドレコードデー」で2つの世界記録が出たのだが、コー会長は「コロナ禍の中でもアスリートはパフォーマンスを高く維持していて、昨晩、スペインで行われた大会でも世界記録が2つ出た。来年に向けてもっと記録がたくさん出るのではないかと思っている。今から楽しみ」とし「(来年の)東京についてはさらに素晴らしいパフォーマンスが期待できると思っている。最高峰のパフォーマンスが見られると、今からワクワクしている」と話した。

車いすバスケ男子代表、合宿は「勝ち切る力」を養う時間

2020.10.08 Vol.Web original
 車いすバスケットボール男子日本代表の京谷和幸ヘッドコーチと豊島英キャプテンが8日、記者会見に出席し、コロナ禍での合宿開催や東京大会に向けての思いを語った。  今年7月から合宿を再開した車いすバスケットボール男子日本代表。現在感染予防策として、手指やタイヤの消毒、検温などの対策を講じながら、9月からは試合の感覚を取り戻すことを目的に、選手同士の接触が伴うゲーム形式のトレーニングも取り入れているという。  「選手は事前にPCR検査を受けから合宿に臨みます。自分やチームメートを守るという意味で、信頼し合って合宿ができている状態」と豊島。「以前のような強度や環境でプレーができるようになってきた。いい準備になっていると思う」と手応えを語った。

初の全試合オンライン配信!ブラサカ全国大会が明日開幕

2020.10.03 Vol.Web original
 ブラインドサッカー初となるオンライン配信の全国大会「〜ブラインドサッカーを未来へつなごう〜 アクサ×KPMG ブラインドサッカー2020カップ」が4日に開幕するのを前に2日、出場チームや関係者らによる開会式が行われた。  日本ブラインドサッカー協会は例年、クラブチームを対象にアクサブレイブカップ(日本選手権)とKPMGカップ(クラブチーム選手権)の2つの全国大会を開催している。今年は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全国8会場での分散開催を取り入れた「アクサ×KPMG 2020カップ」として開催。大阪会場を皮切りに、全15チームが5ヶ月に渡り熱戦を繰り広げる。予選ラウンドは無観客となるが、代わりに全試合をオンライン配信。全国大会の全試合を生配信するのは、協会として初の試みとなる。

車いすテニスプレイヤーであり、大工だった私が見つめる、東京のバリアフリー【二條実穂】

2020.09.20 Vol.733

元車いすテニスプレイヤー 二條実穂 TOKYO 2020 COUNTDOWN

「バリアフリー先進国」と呼ばれる日本。とりわけ東京は東京五輪パラリンピックの開催に向けて「スマート東京」を推進し、駅や建物のバリアフリーのほか、デジタル技術を使った移動支援にも積極的だ。施設やサービスが充実し、街が変わりゆく中で、人々の意識はどうだろうか。車いすテニスプレイヤーとして2016年のリオパラリンピックに出場し、現在は東京都パラ応援大使を務める二條実穂さんが、アスリートとして、いち車いすユーザーとして語った。

全米オープンのコロナ対策は“バブル方式”。国枝「集中して試合に臨めた」

2020.09.18 Vol.Web original
 テニスの全米オープン車いすの部で5年ぶり通算7度目の優勝を果たした国枝慎吾が18日、東京2020組織委員会と全米オープンへの参加経験の共有と意見交換の場に出席。コロナ禍での大会運営にアスリート目線で思いを語った。 同日程・同会場で開催された唯一のグランドスラム  全米オープンは、全豪、全仏、ウィンブルドンと並ぶ、テニスの4大大会「グランドスラム」のひとつで、毎年8月の最終月曜日に開幕する。今年は新型コロナウイルスの感染拡大でウィンブルドンは中止、全仏オープンは9月下旬へ延期となるなど大会の開催に影響が及ぶなか、全米オープンは予定通り8月31日から無観客で開幕。ダブルスのペアや部門数を減らすことにより規模を縮小して開催された。  「世界各地から一カ所に選手が集まるという意味において、全米オープンが五輪パラリンピックのヒントになるのではないか」と今回の場への参加経緯を説明した国枝。「私自身、大会が決まった6月の段階では、行くのは怖いなという思いでした。でも大会側とオンラインミーティングを重ねていく中で、出場したいと思えるようになった。対策をしっかりすれば選手側は安心して大会に臨める。このプロセスがこれからのヒントになるのではないか」と語った。

車いすバスケ、日本選手1名がパラ出場資格満たさず。キャプテン藤井「言葉が見つかりません」

2020.09.15 Vol.Web original
 日本車いすバスケットボール連盟(JWBF)は15日、報道関係者向けにリモート説明会を開き、同競技が東京パラリンピックから除外される可能性がある問題や、その要因となったクラス分けの結果について、現在の状況を報告。対象選手のうち女子選手1名がパラリンピックへの出場資格の要件を満たさなかったことを明らかにした。 車いすバスケのパラリンピック除外問題の経緯  車いすバスケットボールのクラス分けを巡っては、今年1月、国際パラリンピック委員会(IPC)が国際車いすバスケットボール連盟(IWBF)のクラス分けがIPCの定める基準を順守していないとして、同競技を東京パラリンピックの実施競技から除外する可能性があると発表。IPCは障害の軽い4.0と4.5のクラスについて、IWBFの定める基準を問題視しており、5月29日までに東京パラリンピックに出場する可能性のある同クラスのすべての選手を再評価するよう求めた。  発表を受け、IWBFのメーレンス会長は「あらゆる手段を講じる」と談話を発表し、基準に適応する考えを表明。今年2月にはJWBFが対象となった選手14名の医学的な書類や検査結果をIWBFに提出し、先月18日、対象選手14名すべての結果を受け取った。その結果、13名が出場資格を満たし、女子選手1名が出場資格を満たさないと判定を受けたことがわかった。  出場資格を満たさない理由としてJWBFは、これまでのIWBFのクラス分け規程では選手として参加資格が認められているものの、該当の選手がIPCクラス分け規程および国際基準に定められている10種類の出場要件を満たす障がいのうち、車いすバスケットボールで採用されている7種類の障がいには該当しないと判定されたためと説明。結果について選手と協議した結果、今回の判定を受け入れることにしたと発表した。また、具体的な内容は選手の個人情報となるため公表は差し控えるとした。

ブラサカ日本代表は「見える化」で強くなる。高田監督が合宿報告

2020.09.04 Vol.Web original
 日本ブラインドサッカー協会は3日、男子日本代表の高田監督によるオンライン活動説明会を行い、代表合宿の様子やパラリンピックに向けた思いを語った。  6月から本格的な活動を再開したブラインドサッカー男子日本代表。8月8~15日には葛飾奥戸総合スポーツセンターでパラリンピック本番を想定したシミュレーション合宿が行われ、選手のコンディションのほか、ホテルから会場移動の導線、ウォーミングアップなどのルーティン、暑熱対策などを確認した。 コンディションの「見える化」  日本代表チームがかねてより重視しているのが、数値による「見える化」。今回の合宿では、昨年の国際大会の初戦時と比べた選手たちの走行距離や心拍数などを数値化してコンディションの回復状況を確認。現在、走行距離は95〜103%まで回復しているとし「これまでやってきた強度を上げながらのトレーニングが上手くいった。誰も怪我がなくこの数字が出ているのは良かった」と振り返った。  暑熱対策としては、ゲーム前からゲーム中、ゲーム後に至るまで、オンオフを含めた水分摂取や食事のコントロールを行ったほか、熱中症への予防策として尿比重の検査を行い、体調の変化やその兆候が分かるように可視化した。  また、パラリンピック期間中はホテルでの滞在時間が長くなることが想定される中、メンタル面では、準決勝が終わった後を想定し、オンオフの切替を実施。家族とのオンライン会話やヨガを取り入れることでプレッシャーから心を休める時間の作り方を工夫したという。

五輪聖火が一般公開へ。日本オリンピックミュージアムで9月1日から

2020.08.31 Vol.Web original
 ギリシャから日本へ持ち帰った東京2020オリンピック聖火が、9月1日から東京・神宮外苑の日本オリンピックミュージアムで一般公開される。展示に先駆けて31 日、関係者らによるセレモニーが開かれた。  今年3月にギリシャから日本へ運ばれたオリンピック聖火。東京2020大会の延期に伴って聖火リレーも延期となったため、出発地の福島県「Jヴィレッジ」などで展示・公開された後は、大会の組織委員会の管理で都内にて保管されてきた。  セレモニーに出席した日本オリンピック委員会の山下泰裕会長は「スポーツ関係者が待望していました聖火が到着しました。コロナ禍で選手たちは不安を抱えながらトレーニングに励んでいる中、この聖火が心の支えになると確信している。当館では感染症対策に万全を喫して、より多くの方にご来館いただきたいと思う」と語った。  また橋本聖子五輪パラリンピック担当大臣は「この聖火が再び多くの皆様にご覧いただけることを大臣として、オリンピアンとして嬉しく思う。世界がコロナに勝った証となる東京大会のレガシーを発信していきたい」とした。  オリンピック聖火の展示は、日本オリンピックミュージアムで9月1日から11月1日まで。新型コロナウイルス感染症対策のため、入館には日時指定の事前予約が必要となる。

障害超えた現代アート国際展、ヨコハマ・パラトリエンナーレが開幕!

2020.08.25 Vol.Web original
 3年に一度開催される“障害者”と“多様な分野のプロフェッショナル”による現代アート国際展「ヨコハマ・パラトリエンナーレ2020」が24日、プレオープンを迎えた。新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、今回はオンラインとリアルが融合した全く新しい形で同プロジェクトをスタート。コロナ時代の新たなイベント像を世界に発信する。  横浜市の東京2020参画プログラム「文化オリンピアード」として、障害のある・なしに関わらず文化芸術活動に参加したい誰もが出会い、共に創るアートプロジェクトとして誕生したヨコハマ・パラトリエンナーレ。2014年の「はじめてに出会える場所」、2017年の「とけあうところ」に続き、今回は「our curioCity ‒好奇心、解き放つ街へ」をテーマに4つのプログラムを展開する。

誰もが「走れる」社会へ。 義足エンジニアの新たな挑戦 遠藤謙【TOKYO 2020 COUNTDOWN】

2020.08.24 Vol.732
 2016年リオパラリンピックで陸上100mアジア・日本新記録へと導いた義足エンジニアの遠藤謙さん。近年、障害者アスリートの競技力の向上や、板バネなどの技術革新により、障害者陸上のレベルは格段に上がった。一方で、ものづくりの現場で見えてきたのは、いまだ高い義足ユーザーの「走る」ことへの障壁だ。「人は何のために走るのか」。パラリンピックが1年延期されたいま、原点に立ち返って見つめる景色を遠藤さんが語った。

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