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山田洋次監督「今の人はとても苦労しながら映画を撮っている」日本映画界の後輩たちへの思い語る

2025.10.29 Vol.web original

 

 第38回東京国際映画祭センターピース作品『TOKYOタクシー』(11月21日公開)の舞台挨拶が29日、日比谷にて行われ、俳優の倍賞千恵子、木村拓哉と山田洋次監督が登壇。映画祭特別功労賞を授与された山田監督が、日本映画の黄金期を振り返りつつ日本映画界への思いを語った。

 2022年に日本でも公開され話題を呼んだフランス映画『パリタクシー』を原作に、山田監督が舞台を東京に移し替え人生の喜びを描くヒューマンドラマ。

 東京国際映画祭の目玉・センターピース作品として大型劇場で上映され、満員の観客から喝采を浴びた一同。

 倍賞は「スタッフ、キャスト全員で富士山より高い『TOKYOタクシー』という山に登ったという思い。忘れられない作品になりました」と笑顔。木村が「家にいてもスイッチ一つで作品を楽しむことができる時代ですが、こうして大きなスクリーンや特別な音響で作品を受け取ってもらえるのは一番うれしいこと」と言うと、山田監督も「僕も撮影しながらいつも、この作品は大きなスクリーンで大勢の人と一緒に見るんだと自分に言い聞かせながら作ってきた気がします」と同意。

 本作が91作目の監督作となる山田監督。映画祭から特別功労賞を贈られると「長生きしてたくさん映画を撮ってきてしまった」と照れ笑い。

 一方で山田監督は「僕が映画界に入った70年近く前、日本映画は充実していて、まさしく黄金時代でした。そのころの映画界は今思うと豊かでゆとりがあった。まだテレビがそれほど普及してなかったし、アジア諸国、韓国や中国にしても映画らしい映画をほとんど作ってない時代でした。映画には大勢の観客が集まった。娯楽の王者と言ってよかった」と振り返り「そこから比べると今はとても厳しい時代。今の映画人はとても苦労しながら映画を撮っている。ときどきとてもかわいそうだと思うことすらあります」と後輩たちへの思いを吐露。

 そんな山田監督に“盟友”倍賞も「監督の熱い思いがひしひしと伝わってきました。今回も監督のもとで仕事ができたこと本当に光栄です。これからもおいしいものをたくさん食べて、“本番行くよ、行くよ”って、なかなか始まらない本番の声なんですけど、これからも映画を撮り続けていただきたいです」とさらなる活躍に期待を寄せていた。

 第38回東京国際映画祭は11月5日まで日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区にて開催中。

木村拓哉「幼少期に住んでいた柴又で『男はつらいよ』の撮影を見てました」山田洋次監督と熱いハグ

2025.10.29 Vol.web original

 

 第38回東京国際映画祭センターピース作品『TOKYOタクシー』(11月21日公開)の舞台挨拶が29日、日比谷にて行われ、俳優の倍賞千恵子、木村拓哉と山田洋次監督が登壇。木村が幼少期に体験した、山田監督との“縁”を振り返り熱い思いを語った。

 2022年に日本でも公開され話題を呼んだフランス映画『パリタクシー』を原作に、山田監督が舞台を東京に移し替え人生の喜びを描くヒューマンドラマ。

 本作が91作目の監督作となる山田監督。映画祭から特別功労賞を贈られると「長生きしてたくさん映画を撮ってきてしまった。そのことでほめられて、こんな賞を頂けたんだと戸惑いながらも思っております」と茶目っ気たっぷりに喜びつつ、娯楽にあふれた現代で奮闘する日本映画界の後輩たちへの思いを吐露。

 そんな山田監督に倍賞、木村がお祝いの花束を贈り、木村は監督と熱いハグ。

 スピーチを終えて椅子に座った山田監督の口元の高さにマイクを合わせるなど、自然な気配りを見せていた木村。本作の物語の始まりの場所であり、山田監督の『男はつらいよ』シリーズの舞台・柴又について聞かれると木村は「自分は幼少期に柴又に住んでいたこともありまして。実際に『男はつらいよ』の撮影に人だかりができている中の“人だかり分の1”として“何やってるのこれ?”と。その光景を見ていたんですよと監督に言ったら“そうなのか、君はいたのか”という言葉を頂きました(笑)」。

 懐かしそうに振り返りつつ、今回の柴又での撮影に「あの町自体が、山田組がここでまた撮影をしてくれる、という…山田組の者だけではなく現場全体の空気感が、もう一度脈を打ち出したような感じがしていました」と感慨深げ。

 さらに木村は山田監督の特別功労賞受賞に「監督は本当にいろんなことに興味や愛情をお持ちになられていて、だからこその現役なんだなと。それが今回の賞につながっているんだと、今ずっと考えていました」と生涯現役の山田監督をたたえ「皆さんも、こういう先輩がいると、もう1回やる気が出ますよね。本作を見てくださった方なら、こんな先輩がいるんだなと、生きていく力というか現役でいる力を受け取っていただけるんじゃないかなと思います」と熱いメッセージ。

 木村の祝福に山田監督も「ありがとう、木村くん」とうれしそうに笑顔を見せていた。

 第38回東京国際映画祭は11月5日まで日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区にて開催中。

吉永小百合「昭和、平成、令和と三世代にわたって日本映画の真ん中に」東京国際映画祭特別功労賞

2025.10.27 Vol.web original

 

 第38回東京国際映画祭オープニングセレモニーが27日、日比谷にて行われ、俳優の吉永小百合が特別功労賞を受賞した。

 今年のオープニング作品 『てっぺんの向こうにあなたがいる』でレッドカーペットも大いに沸かせた吉永小百合、のん、阪本順治監督。

 セレモニーに登壇した吉永は「今日は、このお話の元になった田部井淳子さんと一緒に参加したいなと、帯に田部井さんのお写真をお借りしてきました」と帯を示し、会場からも拍手。

 この日は、吉永に特別功労賞を授与。映画祭の安藤裕康チェアマンは「昭和、平成、令和と三世代にわたって日本映画のど真ん中にいて活躍されてきた」と吉永の功績をたたえ「38回を数える東京国際映画祭の歴史の中で、日本の女優さんが同賞を受賞するのはこれが初です」。

 トロフィーを受け取った吉永は「3年前に、大好きな先輩でもある(黒澤明のスクリプター)野上照代さんがこの賞を受賞されたと聞いてとてもうれしいです」と笑顔。

 また、セレモニーでは、特別上映作品『イン・アイ・イン・モーション』で監督デビューを果たしたジュリエット・ビノシュも登壇。映画ファンに「とにかく精一杯突っ走って! 今はAIやSNSが台頭している時代ですが、自分自身の独立した意思や情熱をもって芸術にいそしむことが大切だと思います」と力強くメッセージを送っていた。

 第38回東京国際映画祭は11月5日まで日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区にて開催中。

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