西野新監督が会見「予選はもちろん突破したい」

会見の最後、2ショットのフォトセッションで西野新監督(右)はやっと笑顔を見せた。左は田嶋会長
森保U-21代表監督がコーチ就任。オールジャパン体制確立

 日本サッカー協会が4月12日、都内のJFAハウスで会見を開き、サッカー日本代表の新監督に西野朗氏が就任したことを発表した。
 
 またハリルホジッチ体制でコーチを務めていた手倉森誠氏、GKコーチの浜野征哉氏、コンディショニングコーチの早川直樹氏が留任。新たにコーチとして森保一氏(U-21代表監督)、GKコーチとして下田崇氏(U-21日本代表GKコーチ)、コンディショニングコーチとして小粥智浩氏(U-19・U-16日本代表コンディショニングコーチ)の就任も発表された。

 会見では冒頭、田嶋幸三日本サッカー協会会長が「これから西野監督の下で日本代表チームがスタートしますが、これまで日本サッカー界が蓄積してきたすべての英知を結集して、オールジャパンの体制でワールドカップに臨む日本代表をサポートしていきたい。みなさんにもぜひ西野監督を支えていただきたい」と挨拶した。

 続いて西野新監督が「この度、ハリルホジッチ監督の後任として日本代表監督を受けることにしました。本来であれば技術委員長の立場として日本代表チーム、監督をはじめスタッフを支える、サポートしていくポジションであります。ただ2年前に就任して、精いっぱい代表チーム、監督へのサポートを考えてまいりました。ただ最終的にロシアの直前でこのような状況になり、代表監督を引き受けたということで…非常に責任を感じている中ですけども、精いっぱいロシアに向けてチーム作りをしていきたいなという覚悟でおります。2年間、現場を離れて技術委員長という立場で仕事をしてまいりましたので、まずは指導者としての心身を整えて、しっかり選手を見て、日本サッカー界を見て、これからチーム作りをしていきたいなと考えています」とやや硬めの表情で挨拶した。

 西野監督の誕生で最も気になるのは「どういったサッカーを目指すのか?」「選手の選考はどういった形でなされるのか?」ということ。

 これらについて西野監督は「(ハリルホジッチ)監督のスタイルというのは、今までの日本のサッカーに足りなかった部分でもある1対1の強さや縦の攻撃に対する推進力を求めていた。言葉ではデュエル、縦というシンプルなことだが、内容に関しては非常に高度なもので、それを選手たちに強く要求していた。そのスタイルは間違いなく現状の日本代表チーム、日本のサッカーにとって必要なことではあるとは思う。継続して考えていきたいとは思う」などと前監督の掲げたサッカーに理解を示したうえで「体格的、フィジカル的な要素の中で戦えないところもある。別の角度からそういうものに対応していかなければいけない。日本にはこれまで構築してきた日本のフットボールというものがある。その中には技術力を最大限に生かしたり、戦い方においても規律や組織的なところで結束して戦っていく強さ、化学反応を起こした上で戦える強さ。そういうものをベースにした上でこれからはそういうものを構築していく必要があると思う」と話した。そして「選手たちがもっと自分のプレー、パフォーマンスを代表チームで出せる、選手がストレートにプレーできる状況を作っていきたい」などと話した。
会見中は厳しい表情を崩さなかった西野監督
ハリルジャパンの問題点にも言及

 選手の選考についても「経験のある選手がキャンプで招集されないとか、出場機会が少ないという状況があるが、やはり現状のコンディションをしっかり把握しなければいけないと思う。海外組の中では怪我をしている選手が6週、8週試合に出ていない状況がある。確かに経験、実力、実績ある選手だが、(ハリルホジッチ)監督もその辺の基準をしっかり持っていて、現状のコンディションを非常に気にされていたのは間違いない」としたうえで「過去の経験、実績にプラスここ1カ月の状況を正確に見極めた上で、最高の化学反応が起こるチーム、グループとして良いパフォーマンスが出る状況、選手選考をスタッフも総力をあげて結集したうえで選考していきたい」などと話した。

 会見では技術委員長としてハリルホジッチ体制の問題点も問われたが、西野監督は「(ハリルホジッチ)監督は選手、チームに世界で戦うためにはこういうプレーをしなければいけない、ということを非常に高い基準で強く要求していた。それは指導者として当然のことだが、監督の意図と選手たちのやらなければいけない、やりたいプレーのギャップがなかなか埋められなかったり、選手たちが追いつこうとしても要求に応えられないというところは感じていた。選手たちもそういうことに応えられる力があると思ったし、監督ももっと高い要求あったのかもしれないが、現状がバランス良く機能していたかというと、わずかな差はあったのではないかと思う」などと話した。そして「技術委員長としての立場は精いっぱいやってきたつもりだが、足りなかったという部分を強く感じていたので、監督同様(解任)になってもということを思ってもいた。ただこういう事態なので、自分がという思いで最後は(監督を)引き受けさせてもらった」などと話した。

 この時期の監督交代を不安視する声もあるが、西野監督はW杯の目標として「かつてオリンピックで2つ勝っても決勝トーナメントに進めなかったことを経験している。これはオリンピックでは過去になかったこと。W杯でも2つ勝っても上がれないということは考えられる。そういう予選だが、1試合1試合ベストを尽くしてチャレンジしていくという姿勢で戦っていきたい。予選はもちろん突破したいと思う。そういう力を信じて(チームを)作っていく2カ月だと思う。ただ選手には数字的な目標を大きく与えるつもりはない。とにかく選手たちは現状よりいいプレー、いいパフォーマンスを出してくれる(と思っている)。そういう中でコロンビアに挑んでいきたい。十分チャレンジできる状況になると思う」と話した。