那須川天心「中村選手は他の選手には通用しても僕には通用しない」【5・6 RIZIN】

RIZIN福岡大会で中村優作と対戦する那須川天心

EVOLVEでの武者修行を経て「やってきたことは間違いじゃなかった」
「RIZIN.10」(5月6日、福岡・マリンメッセ福岡)に出場する那須川天心が4月23日、千葉の「TEPPEN GYM」で公開練習を行った。

 那須川はシンガポールのEVOLVEジムでの武者修行と20日にフィリピンのマニラで行われた「ONE Super Series」の観戦のため、約10日間、東南アジアに滞在。帰国したばかりだったが、2分のミット打ちと2分のマススパーリングを行い、軽快な動きを見せた。

 練習後の会見では今回のEVOLVEでの武者修行について「観光なんて全く行かなかった。MMAとムエタイをミックスしたようなミット打ちをさせてもらった。めちゃくちゃいい刺激をもらった。こんなにいい環境があるんだと思った。日本のみんなにも行ってもらいたい。サムエーなんかとにかく蹴りが速くて見えなかった。でも収穫はあった。見ているだけでも勉強になった」などと振り返った。とはいえEVOLVEの練習環境やそこで出会った選手たちに圧倒されるばかりではなく「通用する部分はたくさんあると感じた。もっと通用しないと思っていたが、やってきたことは間違いじゃなかったと思った。そこにプラスアルファで技術面とかいろいろなところから吸収できればもっと強くなれるんじゃないかと思う」と話した。

ミット打ちでは豪快な飛び膝を見せた

「ペトロシアンは一人だけレベルが違った」
「ONE Super Series」はアジア最大規模の総合格闘技団体「ONE Championship」が、新たに立ち上げた立ち技格闘技の大会。日本でもおなじみのジョルジオ・ペトロシアンの試合が行われたが「レベルが全然違った。相手のタイ人選手も強い選手と聞いていたが、一人だけレベルが違った。サウスポーだし勉強になった。ただ残念なことに、一方的過ぎて盛り上がっていなかった。もっと強い相手との試合を見たかった。(自分と)タイプが似ているような気がした。当てさせずに自分だけ当てるところとか。打ち合うタイプではなくて、冷静に試合を運ぶので、すごく勉強になった」などと話した。

 福岡大会の対戦相手である中村優作については「飛び込んでカウンターを打ってくる選手なので、距離をどう詰めるか。今回は自分から仕掛けないと攻撃してこないと思う。自分から詰めて。いつもはパンチで倒しているが、今回はいろいろな足技を見せて倒そうかと思う。やっぱりテレビにも映るので、とにかく派手なKO。いつも通りぶっ飛ばしていくしかない」と話した。

マススパーリングでは変則的な蹴りも見せた

理想のフィニッシュは侍の居合い斬り。「今回はクールに」
 中村は右のかぶせるパンチと膝が得意なのだが、那須川は「キックでも通用すると思う。キックボクサーではああいう選手はなかなか見たことがない。でも自分はどんなスタイルでもイメージできるので、他の人には通用するかもしれないけど、僕には通用しない」と絶対的な自信を見せた。

 理想のフィニッシュについては「蹴りの話をしましたけど、一番の理想はパンチなんです(笑)。相手がカウンターを打ってきたところにカウンターを合わせて“しゃっ!”と。侍同士がすれ違った瞬間に終わっている、みたいな感じ。(相手が倒れても)手も挙げずに後ろを向いてそのまま立っている。いつもは勝って“ああー”って手を挙げちゃうんですけど、そうではなくて今回はクールにいきたい」と話した。

 また中村がHIROYA、大雅らが所属するTRY HARD GYMで練習していることについては「別に…。自分より強い選手がいる場所でもないじゃないですか。そういう人に教えてもらっても、そこまで意味はないんじゃないかと思いますけど」と淡々としながらも辛辣なコメントを残した。