代表引退表明の長谷部が「いい仲間を持った」

会見で次代の代表選手にエールを送った長谷部(撮影・蔦野裕)
西野監督「選手たちは本当にたくましく戦ってくれた」

 サッカーの「ワールドカップ(W杯)ロシア大会」で2大会ぶりに決勝トーナメントに進出した日本代表が7月5日に帰国した。

 同日行われた帰国記者会見には日本サッカー協会の田嶋幸三会長、西野朗日本代表監督、キャプテンの長谷部誠が登壇した。

 会見で西野監督は冒頭「今日は翻訳機がないので安心して喋れます」と大会中の公式会見で翻訳機をうまくつけられなかったエピソードを織り込むなどリラックスしたムード。大会については「監督としては46日活動させていただいた。選手たちがロシアに向かう意識は非常に高いものがあった。その強い気持ちなしでは勝つことはできなかった。前監督の財産があり、さらに本大会でできることを探りながら、本当に素晴らしいサッカーを披露してくれたと思う。結果は1つしか勝てなかったが、W杯での1ポイント、1ゴール、1プレーというのが本当に厳しいということは私自身も初めての経験。グループステージを突破すること、そしてノックアウトステージで勝ち上がることの本当の厳しさを知らされた。しかし、選手たちは本当にたくましく戦ってくれた」などと選手たちをねぎらった。その一方で「8年周期でベスト16にチャレンジしてという、そのスパンではダメだと思う。次のカタールでは間違いなくベスト16を突破できる。その段階にはある。必ず4年後、選手たちが成し遂げられる状況につなげたという成果だけは感じたいと思う」とベスト16にとどまったことに関しては反省を口にした。

 長谷部は「大会前にはあまり期待されていなかったと思うが、無関心というのが一番怖いと思っている。このW杯でまた関心を集められたと思うので、引き続き日本の皆様には代表だけではなく、Jリーグや女子などさまざまなカテゴリーで日本サッカーに関心を持っていただき、時には暖かく、時には厳しくサポートをお願いしたいと思います」などと挨拶した。

 また長谷部はブラジルからの4年間を振り返り「ブラジルで多くの選手が味わった悔しさ、サポーターの失望感。それを乗り越えるために、そしてさらに上に行くために4年間やってきた。悔しさがチームを引っ張っていったのかなと思う。ブラジルが終わった当初は、ロシアのピッチに立っている自分は想像できなかったが、今振り返ってみればあっという間だった」と話した。そして自らは代表引退を公表したことから「今回の悔しさを踏まえて、カタールではさらに上に行ってほしい」と続けた。自らの代表引退にあたり涙を流した選手もいたことについては「チームメートは普段は僕のことをうっとうしく思っていたと思う。僕は若い選手にもいろいろと言うので。でも涙してくれる選手とか、さまざまなうれしい言葉をかけてくれる選手がいたというのは、言葉にできない喜び。改めていい仲間を持ったなという気持ち」と話した。
帰国会見を行った長谷部、西野監督、田嶋会長(左から)(撮影・蔦野裕)
田嶋会長は西野監督の続投は否定

 W杯が終わると必ず話題となる今後の代表監督について田嶋会長は「まだ白紙。技術委員会で話し合って早い時期に決めたい」と話したものの、「西野監督とは40年以上の付き合い。監督就任をお願いする時、結果がどうであれここで終わりということを約束した。それは守りたいと思うので、慰留もしていません。また違った形で日本サッカー界に貢献し、サポートしていただければ」などと話し、西野監督の続投は明確に否定した。

 その西野監督はサッカー協会に対し「海外組と国内組が融合していかなければならないが、シーズン(の開幕時期)が違うから難しい。9~11月のA代表の活動が毎年強化にならないくらいの状況がある。個は成長していくとしてもチームとして、各カテゴリーでの融合をどうするか。改善は難しいが考える必要があると思う」などと提言した。

 新生日本代表は9月7日に札幌ドームで行われる国際親善試合「キリンチャレンジカップ2018」から4年後のカタールに向けスタートを切る。