渋谷小町 小林愛三【ジョシカク美女図鑑 第7回】

9・8「KNOCK OUT 2018 OSAKA 2nd」で大阪のファンの前に初登場
 女子格闘家の素顔に迫るインタビュー企画「ジョシカク美女図鑑」。第7回は「KNOCK OUT 2018 OSAKA 2nd」(9月8日、大阪・エディオンアリーナ大阪第2競技場)に出場する小林愛三。

 小林は2015年12月にデビュー。デビュー2戦目にして天才ムエタイ少女ペットジージャ・オー・ミークンを破り脚光を浴び、デビュー1年後の2016年にはMuayThaiOpenフライ級王座を獲得。2017年からはKNOCK OUTにも参戦と一気に女子キック界のメインストリームに躍り出た。
(撮影・辰根東醐)
前戦でプロ初黒星。気分転換に愛知のおばあちゃんの家に行く

 順調にキャリアを重ねる小林だったが、今年7月に参戦したシュートボクシング「Girls S-cup」では48kg世界トーナメント1回戦でイリアーナ・バレンティーノにプロ初の敗戦を喫してしまった。

「しかも初めてダウンを取られて…ですね」

 この間どういう気持ちで過ごしてきた?

「試合直後は悔しくて“うわーっ”という気持ちが続いていたんですが、今は“本当に強い選手と戦えたんだ”というように気持ちを切り替えることができています。自分が勝つということは自分のほうが強いということで、自分が負けるということは自分より強い選手だったということですから。そう考えるといい意味での経験になったとは思うんですが、試合直後はとにかく悔しいという気持ちはずっとありました。でもいろいろなところに気分転換に行ったり、とにかく練習をやりこんだりして、前に進む気持ちが出てきました」

 気分転換はどこに?

「おばあちゃんの家が愛知にあって、一泊二日だったんですが一人で行って畑仕事なんかを一緒にやってきました(笑)。おばあちゃんについていって、一緒に野菜を採って、造花を一緒に作って(笑)。それがすごくいい気分転換になりました」

 もともと試合間隔が短い。今回もすぐに試合が決まった。

「初めて負けた後で、いろいろ考えちゃうこともあったので、すぐに試合を組んでもらえてありがたかったです」

 今回対戦する喜多村美紀とはデビュー3戦目で対戦しドロー。当時は新宿FACEの第2試合。今回はエディオンアリーナ大阪。たった2年で取り巻く環境が激変した。

「それはKNOCK OUTさんのお陰です(笑)。KNOCK OUTさんが道を作ってくださるのでありがたいです」
 
 喜多村選手の印象は?

「気持ちが強い選手で、こちらにスキがあれば突いてくる。あの時は連勝していて、私はすぐに調子に乗っちゃうタイプなので“次もいけるだろう”って余裕をかまして臨んでしまった試合だったんです。そこでドローに終わって、その時に初めて“格闘技には余裕というものはないんだな”ということに気づかせてもらいました。やはりどんな相手だろうと気を抜いてはいけないということを教えてもらった気がします」

 喜多村戦を経て、また快進撃が続くのだが前戦で初黒星。ここではどんなことを学んだ?

「イリアーナ選手とは体づくりの基礎から違ったなと思いました。それに気持ちも強かったですし、スキもなかった。今までの自分の中では最高で万全な状態で臨んだんですけど、それでも自分の体の基礎がまだなっていないということを感じました。私がフィジカル的に強いと思っていたことは表面的なもので、その表面を壊されると中身がないという状態でした。なので今回は追い込みもするんですけど、基本の部分の片足立ち30分を毎日しっかりやるとか、そういう体の基本を徹底的にやってきています」

 大阪で試合をするのは初めて。調整に不安は?

「私、あんまり計画を立てないタイプなんです(笑)。その日の荷物をその日に調達するタイプなので(笑)、結構バタバタしちゃうことが多いんですけど、今回は2週間前から地道に計画を立てて、周りの人にサポートしてもらって準備しています」

 そういう性格だと減量とかは大変なのでは?
「あんまりよくないです(笑)。細かいことは気にしないんで、なんかいつもバタバタしちゃう」
インタビュー中はほんわかした空気を醸し出す小林だが、試合では一変。強烈なハイキック!
最初はボクササイズ。やがてキックボクシングにはまり現在に至る

 そもそもなぜ格闘技を?

「体を動かすのはもともと好きだったので、お母さんと一緒にフィットトネスクラブでボクササイズをやっていたんです。そのうちボクササイズにはまっていって、もっとカッコよくやりたいなと思って、専門学校をさぼって一日体験に行ったんです。そこで初めてミット打ちをやって、より深くはまってしまったという感じです」

 もともと別のスポーツをやっていた?

「小学校から高校までずっとバレーボールをやっていました。やりこんではいたんですけど、もともとは“スポーツをやらないと悪さをしそうだから”という理由でお母さんが“ほいっ”と入れたのが始まり(笑)。だからやりたいから始めたという感覚はあまりなかったんですけど、キックは自分がやりたくて始めた初めてのスポーツなので、すごくはまっています」

 スポーツをやらせないと悪さしちゃいそうって、どういう少女時代?

「結構、反抗期が長かったんです(笑)。不良とかそういうのではないですよ(笑)」

 お母さんとしてはまさか娘がキックボクサーになるとは…。

「思ってなかったと思います(笑)。心配はしてもらっているとは思うんですけど、親も体を動かす仕事に就いていたので、“やるんだったら徹底的にやらないと駄目だよ”って、むしろ“もっとちゃんとやれ!”って言われました」

 リングネームは「愛三」と書いて「まなぞう」と読む。ちょっと変わってる。

「アマチュアのころから教えてもらっている先生が牧裕三さんという先生で、そこで教えてもらっているときからあだ名で“まなぞう”って呼ばれていたんです。本名で試合に出るのは嫌だったので、第二の自分じゃないですけど、それでリングネームは愛三にしました」

「マナミ」と読めないこともない。

「そうなんです。気づいたらうまいことになってました(笑)」

 デビューして3年弱。女子キック界でグイグイ来ている。この展開は予想できた?

「正直なことを言うと、始めた時からチャンピオンになってベルトを巻いている自分の姿はすごくイメージできていたんですけど、そこから先はイメージできていませんでした。そこでKNOCK OUTさんに声をかけていただいてからいろいろなことが大きく変わってきました。KNOCK OUTでの初戦で田嶋(はる)さんと試合をさせていただいたんですが、あれがなかったら今どうなっていたかは全然イメージがわかない感じです」

 田嶋はる戦がターニングポイントだった。逆にそのチャンスを生かしたからこそ今がある。

「しかも田嶋さんは一番好きであこがれていた選手でしたので。試合ができると聞いた時は“まさか、えっ?”という感じで、本当にぽかんとしてずっと口が開いている状態でした(笑)。結局2回もやらせてもらえるなんて夢にも思いませんでした」
(撮影・辰根東醐)
現役中は「小林愛三と戦いたい」と言われる選手、将来は農家になりたい

 今後の目標を聞かせてください。

「まずは1試合1試合結果を出すことが大事だと思っています。近いところの目標としてはKOできる選手になりたいということと、現在、立ち技の中で一番強いと言われているRENA選手に勝つこと。将来的な目標としてはどんどん強い選手に勝っていって、“小林愛三と戦いたい”と言われること。そうやって強い女子選手がKNOCK OUTに集まるように私自身がどんどん強くなっていきたいと思っています」

 普段の生活サイクルは?

「普段は所属するNEXTLEVEL渋谷ジムの受付をやっています。受付と会員さんに指導するインストラクターと自分のための練習の毎日です。ずっとジムにいますね。ジムに来ない日は今はほとんどないです」

 ジムには国内女子のトップファイターであるグレイシャア亜紀、紅絹、443らが所属している。

「女子選手にとってはすごくいい環境だと思います。先輩たちがすごく強いので、毎日ボコボコにしてもらっています。強い選手がたくさんいるので、出稽古にも強い選手が来てくださいますし、そういう面ではすごく恵まれていますね」

 会員さんも女子が多い?

「すごく多いです。他のジムと比べたことはないんですが“一番多いんじゃないか”って言われるくらい女性の会員さんは多いです。女子でキックボクシングやりたい人にはお勧めです」

 女子格闘技の人気が高まっていることについてはどう思っている?

「多くの人に知ってもらわないといけないと思っているので、私はキックボクサー代表として盛り上げていきたいですし、みんなに知ってもらえるように強くなっていきたいです」

 22歳。今後の人生設計なんかは。

「一番最後は農家になって自給自足をしたいと思っています。1人でも…まあ、1人では人間生きていけないんですけど、野菜を作って、田んぼでチャリをこいでいるおばあちゃんになりたいです」

 なにをきっかけにそう思うように?

「農家になりたいというのはずっと小さいころから思っていました。おばあちゃんが農家をやっていて、今は自分の食べるものとか親戚に送る分のものしか作っていないんですが、そういう自分で作った野菜をお世話になった人に送ったりしている姿を見て、私もそういう人になりたいと思いました。私はスイカが大好きで、あとシソとかお米とかそういうものを作りながら、将来は畑で1日1日、野菜の成長を眺めていく生活を送りたいんです(笑)。人として強い人って、1日1日を大事にできる人だと思うので、そういう意味でも農家に絶対になりたいですね。カッコいいです」

 そこに一緒に農家をやってくれる旦那さんがいれば最高?

「ああ…どうでしょう(笑)。いたらいいんですけど」

 農家は1人でもやる?

「1人でもやりたいです。旦那さんはいてもいなくてもいいです(笑)。まあ、いたらいいんですけど。もしいるなら、その人にはその人の好きなことをしていてほしいです」

 将来結婚するとして、旦那さんが「俺は農家やりたくないよ」って言ったら…。

「“あ、どうぞ好きなことをやってください。私は農家をやりますから”って(笑)。それくらい農家をやりたいんです。お世話になった人に毎年、自分で作った野菜を送れるような、それくらいの余裕を持ってやりたいと思っています」


 選手としての目標は「強くなること」「小林愛三と戦いたい」と言われる選手になること。その一方で引退後の人生設計は「農家」。畑で野菜の成長を見守りながら暮らしたいという。究極のギャップ萌えともいえそうな、このふり幅の大きさがそのまま小林愛三の魅力なのかもしれない。(本紙・本吉英人)
スーパーファイトに武居由樹、野杁正明が出場【12・8 K-1大阪】
卜部功也らが出場「ライト級世界最強決定トーナメント」開催【12・8 K-1大阪】
ミズ&アスカが「MMCシーズン2」でも無敗の快進撃【WWE】
プロ野球・クライマックスシリーズ【プロの瞬撮】
4年後の北京五輪を見据えたよりハイレベルな戦い【グランプリシリーズ 20日開幕】
今年最後の大会で島野浩太朗vs大岩龍矢のタイトルマッチ開催【Krush.96】