【江戸瓦版的落語案内】子別れ(こわかれ)& おススメ落語会

2018.10.10 Vol.711
 落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。

【江戸瓦版的落語案内】船徳(ふなとく)

2018.10.01 Vol.710
 親元を勘当された若旦那の徳兵衛。今は、柳橋の船宿の大枡の二階に居候の身。そんなある日2階の部屋から見た船頭のイナセな姿に憧れて、自分も船頭になりたいと言い出した。親方は若旦那にはそんな力仕事は無理だ止めたが、どうしてもやると言ってきかない。  そのうち勝手に船頭たちを集めて、「これからは俺の事を“徳”って呼んどくれ」と宣言し、晴れて(?)船頭の仲間入り。浅草寺の御縁日、四万六千日は、暑さの盛り。歩いて参詣するのも辛いと、客が次々にやって来て、ベテランの船頭たちは出払ってしまった。そこへ来たのが、なじみの客。連れを伴い、浅草の大桟橋まで頼みたいという。  しかし、船頭が1人もいないと船宿の女房が丁重に断っていると、客が柱に寄りかかり居眠りをしていた徳兵衛に目を付けた。「なんだ、一人若い衆がいるじゃないか」。「あれは…その…違うんでございます」と何とか断ろうとする女房を振り切り、直接声を掛けた。待ってましたと徳兵衛、大張り切り。心配する女房に「なーに、今回は大丈夫ですよ。前みたいにお客さんを川へ落としたりしませんから。行ってきまーす」「おいおい、大丈夫か」客の連れは不安げ。その予感は的中し、舟は進まず、同じところをグルグルと回っている。かと思えば、座っていられないほどの大きな揺れ。「ちょ、ちょ、船頭さん、なんだか端に寄ってくようだけど…」  ついに舟は石垣にピタッとくっついてしまった。「お客さん、すいません。そのオタクの持っているソレ、そのこうもり傘で、石垣を突いてくれますかね。いや、棹を落としちまって」。言われる通り傘で石垣を突いたはいいが、挟まったままで取れなくなってしまった。「ちょっと、船頭さん戻って下さい。傘を取りたいので」「いやー、二度とは戻れません」。その後も棹がない舟は川に流されるまま、「お客さん、向こうから舟が来たら自分でよけて下さい」「おいおい、どうやってよけるんだ」。  そんなこんなで疲労困憊の3人。ようやく目的地の大桟橋が見えてきた。あと一息と思ったが、何せ棹がない。舟は浅瀬に乗り上げてしまった。「こうなりゃ、しょうがない」と客が連れを背負い水の中を歩き、なんとか岸へたどり着いた。客は振り返り「おい、若い衆、お前は大丈夫か?」「お客さん、お上がりになりましたら、船頭を一人雇って下さい」

【江戸瓦版的落語案内】柳田格之進(やなぎだかくのしん)

2018.08.31 Vol.709
 落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。

【江戸瓦版的落語案内】御神酒徳利(おみきどっくり)

2018.08.02 Vol.708
 落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。

【江戸瓦版的落語案内】馬のす(うまのす)

2018.06.29 Vol.707
 落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。

【江戸瓦版的落語案内】中村仲蔵(なかむらなかぞう)

2018.06.05 Vol.706
 落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。

【江戸瓦版的落語案内】鼠穴(ねずみあな)

2018.04.26 Vol.705
 落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。

【江戸瓦版的落語案内】ぞろぞろ(ぞろぞろ)

2018.03.29 Vol.704
 落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。

【江戸瓦版的落語案内 】たがや(たがや)

2018.02.27 Vol.703
 旧暦五月二十八日は両国の川開き。当日は両国橋付近で盛大に花火が上がり、橋の上は見物人でごった返し。花火が打ちあがると、あちらこちらから、「上がった、上がった。玉やぁ〜〜っ!」の掛け声がかかる。そんな中、本所のほうから、お供の侍2名と槍持ち1名を従えた身分の高そうな武士が馬に乗って通りかかった。  見物人であふれる橋を馬で通ろうなどとは、横暴の極み。すると、ちょうど反対側の広小路から道具箱と、割いた青竹のたがを丸めて輪にしたものを抱えたたが屋がやってきた。武士とたが屋が橋の中央ですれ違おうとしたまさにその時、見物人に押された拍子にたがを落としてしまった。落ちた拍子にたがを止めていた糸が切れ、青竹がシュルっと伸びると、馬上の武士の笠に当たりそれを跳ね上げた。笠は吹っ飛び、川の中へ。武士の頭には土瓶敷きの様な笠台だけが残り、鼻からは鼻血がツーッと…。武士はカンカンに怒り「この無礼者! 屋敷へ同道せよ!」。  屋敷に行ったら首がなくなるとあせったたが屋。どうかお許しを。病気の両親が腹をすかせて待っているので、何卒ご容赦下さい」と必死のお願い。しかし、何度誤っても「ならん!」の一言。あまりの物分かりの悪さにたが屋も堪忍袋の緒が切れた。「血も涙もねえ、目も鼻も口もねえ、のっぺらぼうの丸太ん棒め。二本差しが怖くて飯が食えるかってんだ、こんちくしょうめ」「なにッ」「斬るなら斬りやがれっ!」と啖呵を切った。これを聞いた武士はたまらずお供に「切り捨てろ!」。  刀を抜くお供だが、それがガサガサの錆び刀。稽古をさぼっていたため、刀を振り回すもへなちょこで、喧嘩慣れしているたが屋に、あっという間に刀を奪われた。次のお供は頭上から刀を振り下ろしたが欄干に刀が食い込んで抜けない。抜こうと焦っているところをさっき奪った刀でバッサリ。見物人からは、やんややんやの大喝采。いよいよ頭に血ののぼった武士が、馬から降り槍を構える。やぶれかぶれで振り回した刀で、突いてくる槍の首を切り落としたたが屋。武士が槍を捨て、刀に手をかけた一瞬のスキをつき、たが屋が一歩踏み込み、刀を横に払うと武士の首が宙天高くハネ上がった。  まわりにいた見物人は声をそろえ「上がった、上がった。たがやぁ〜〜っ!」

【江戸瓦版的落語案内 】看板のピン(かんばんのぴん)

2018.01.23 Vol.702
 落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。
 鉄火場で若い連中がサイコロのチョボイチを開帳。しかし、もうけた奴が先に帰ってしまい、さっぱり場が盛り上がらない。そこへ現れたのが土地の親分。「お前たち、まだこんなことをやっているのか。博打なんかやるもんじゃないぞ」と戒めた。しかし若い衆「親分だって若い時はやっていたじゃないですか。それより、しらけた場の流れを変えたいので、景気づけにひとつ胴をとってもらえませんか」と頼む始末。親分少しの間考え「訳あって42の時から博打はやめているが…俺ももう61。子どもに返ったつもりで、お前たちの相手をしてやるのもいいだろう」と承諾。昔取った杵柄で、壺皿を振ると、畳の上に鮮やかに伏せた。 「勝負は壺皿の中。さあ、張んな」。しかし見ると壺皿のわきにサイコロが飛び出しピン(1)の目が出ている。親分がボケてきたと思ったそこにいた全員がピンの目に張った。「おや、みんなピンなのか。勝負は壺皿の中だぞ。では、この看板のピンはこっちにしまっておいて、俺の見立てでは5だな」。そういって壺皿を開くと、親分の言った通り5の目が出た。「博打などというものは、こういう汚いものだ。これに懲りたら、お前らも博打なんてするんじゃないぞ。それに誰か一人でも俺にサイコロが外に出ていることを教えようってやつはいたか?  そういう料簡になっちまうのもいけねえ。金は全部返してやるから、さっさと帰りな」と言い残し賭場を去った。これに懲りて博打をやめるのが賢い奴だが、この方法で一儲けしてやろうという男がいた。早速、別の賭場に行き「おい、お前ら博打はやめろ」と親分の真似。「なんだい、いきなり。お前だって博打をやっているじゃないか」「俺は42の時にやめた」「てめえはまだ26じゃないか!」「俺に胴をとってほしいというなら仕方がない。子どもに返ったつもりでお前たちの相手をしてやるのもいいだろう」「誰も頼んでねえよ」。しかし、無理やり胴をとると怪しげな手つきで壺皿を振り畳に伏せた。「勝負は壺皿の中。さあ、張んな」。見ると脇へサイコロが転がり出て、ピンの目が見えている。それを見た男たち、もちろん全員がピンに張る。「おや、みんなピンなのか。勝負は壺皿の中だぞ。では、この看板のピンはこっちにしまっておいて、俺の見立てでは5だな」。そういって壺皿を開くと「…ああ、中もピンだ」

【江戸瓦版的落語案内 】はてなの茶碗(はてなのちゃわん)

2017.12.05 Vol.699
 落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。
 京都の清水寺境内、音羽の滝のそばの茶店で品のいい老人が飲んでいた茶碗に目を止め、なにやらひねくり回すと、“はてな?”とつぶやき首をかしげ立ち去った。それを見ていた茶店の主人と、たまたま立ち寄っていた大阪から来ていた担ぎの油屋が色めき立った。実は先ほどの老人は、京都に店を構える茶道具商・茶屋金兵衛、通称茶金。茶道具や茶碗の鑑定では京都一の目ききで、金兵衛が目を止めただけで、その価格が何百倍にも跳ね上がると言われている。そんな金兵衛が首をひねったのだから、さぞかし値打ちのある茶碗に違いないと考えた。譲ってくれと迫る油屋に、絶対に譲らないという茶店の主人。  すったもんだの末、油屋が半ば強引に茶碗を手に入れた。翌日、油屋はその茶碗を手に、茶金の店へ。対応に出てきた番頭が一瞥しただけで、“値打ちがないのでうちでは取り扱えない”と門前払い。 “そんなことはない、ぜひ茶金に取次ぎを”と押し問答していると、騒ぎを聞きつけた茶金が何事かと出てきた。番頭同様、値打ちがないという茶金に油屋は“昨日、音羽の滝のそばの茶店で、この茶碗をひねくり回し首をかしげていたじゃないですか”と話すと、思い出した様子。“ああ…あの茶碗でしたか。いや、穴も傷もヒビもないのに、水が漏るんですわ。それで、どうしてやろう…はてな?と…首をかしげたまでのこと”。  がっかりと意気消沈した油屋に茶金は私の名前に三両出してくれたのだからと、その二束三文の茶碗を三両で買い取ってやった。この話を聞いた近衛関白殿下は、茶金が持参した茶碗を見て「清水の音羽の滝の音してや茶碗も日々にもりの下露」と歌を詠むとその短冊を付した。すると茶碗の値段がぐんと跳ね上がった。さらに、その噂は広がり、時の帝の耳にまで届いた。帝はその茶碗を見ると、“はてな”と箱書きし、下げ渡した。それにより、“はてなの茶碗”として、国宝級に昇格。ついには鴻池家の耳に入り、なんと千両で売れてしまった。茶金は油屋を探し出し、それまでの顛末を話して聞かせると、千両の半分の五百両を油屋に分け与えた。大喜びで帰った油屋だが、翌日数人の男たちと一緒に、何やら大きな荷物を持って、茶金の元へ。一体何事かと問う茶金に、「十万八千両の金もうけです」「何がや?」「今度は、水瓶の漏るのを持ってきた」

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