【注目候補に聞く】東京10区 自民党候補・鈴木隼人氏

「これまでのやり方では通用しない時代。若い皆さんと一緒にこれからの日本社会を作っていきたい」
 今回の選挙で大きな注目を集めることは間違いないのが東京10区。希望の党の中心人物である若狭勝前衆議院議員の刺客として自民党は若手のホープ、鈴木隼人前衆議院議員を用意した。

ーー鈴木氏は前回の衆院選で比例東京ブロックで当選。今回の解散はどういう気持ちで受け止め、今はどういう気持ちで選挙に臨む気持ちですか?

「世の中のために進めなければいけない仕事がたくさんあるなかで、解散によっていったん中断せざるを得ない状況は歯がゆいです。必ず勝利して、これまでの活動をさらに前に進めていきたいと思っております」

ーー若狭氏の対抗馬として選ばれたことについては?

「お前ならやれる、という期待と受け止めて頑張っています。チャレンジャーの立場なので“前に前に”と攻めていきたいですね」

ーーこの選挙区はもともとゆかりのある地域ですか?

「昨年、小池さんが都知事選に意欲を示し始めたくらいから、東京10区選出の自民党の国会議員が不在になってしまっていたので、参議院選挙、都知事選挙、補欠選挙、そして今年の都議会議員選挙と、東京10区の特に豊島区にかなり応援に入っていたんです。こういった政治活動の中で徐々に地元とのつながりが強くなってきていたので、成り行きとしては自然だったのかな、と思っています」

ーー若狭氏になくて自分にあるものはなんですか?

「やはり政策力と実行力には自信があります。これまで再生医療分野の規制改革、エネルギー安全保障改革、公務員制度改革、健康経営銘柄、全国認知症予防ネットワークの立ち上げなど多くの政策を実現してきました。また認知症予防の会や育menサミットなどのプロジェクトを立ち上げ、現場レベルから社会課題を解決するための活動も行ってきています」

ーー鈴木さんの得意分野、基本政策を教えてください。

「ヘルスケア分野に特に力を入れています。生活習慣病や認知症の予防を推進することで一人一人がいつまでも元気に暮らせるようになるとともに、社会保障費の上昇を抑制することにもつながっていきます」

ーーそういったことに取り組もうと思ったきっかけは何ですか?

「認知症対策に取り組んでいるのは祖父母が認知症を患っていたからなんです。家族だけで介護するのは本当に大変でした。それでこれは地域でもっと支えることはできないのかなという問題意識を前々から持っていました。そして私は経済産業省で働いていたんですが、そこではヘルスケア産業課という部署にいました。その時に認知症の予防に効果のある化粧療法を経産省の事業として採択するなど認知症予防にも大きく関わっていました。その年度の途中で前回の解散総選挙があり、僕は出馬することになったので、最後までその事業をやることができなかったんですが、認知症予防は本当に大事なので、当選後に仲間と一緒に化粧療法をやる団体として『認知症予防の会』というのを立ち上げました。今は傾聴療法とか音楽療法といったものにも活動領域を広げて、定期的に施設を訪問して、認知症予防の活動を続けているんです。その中で分かったんですが、意外と認知症に関心を持っている人って少ないんです。僕は国会議員をやって、結構がく然としているんですが、認知症と名のつく議員連盟はいくつかあるんですが、全く動いていない。自分がSNSで認知症に関する発信をしてもみなさんしらっとしている。他のことだと割とすぐに反応が返ってくるのに。だからこの認知症予防を全国に普及していかないといけないと思って9月に『全国認知症予防ネットワーク』という国内初の全国組織を立ち上げたんです」

ーー若者の政治参加というものも政策に掲げています。

「20代の投票率がどんどん落ちているわけです。そうすると何が起こるかというと、今の20代が投票率のピークを迎える60代後半から70代になったときに、投票率が50%に満たなくなる。投票率が低いと特定の強い利害を持っている人、もしくは団体等の国政選挙に与える影響力が非常に大きくなることを意味するので民主主義として全く健全じゃない。そこで危機感を抱いて若者の政治参加を進めようという活動を始めているんです」

ーー 一般的に投票率が上がると自民党には不利。野党に有利という考え方があります。

「政策を考える時に、選挙で有利になるか不利になるかとか、そういった邪なことで判断してはいけないと思っています。投票率が上がると浮動票が増えて、自民党にとっては結果的に不利ということもあるかもしれません。でもそういうことではない。そもそもこれから人口が減少するという、これまで経験したことのない社会に入っていくわけです。その人口減少社会において、今まで我々が見てきた景色と、これから我々が見る景色というのは全く違ったものになってくる。本当にこれまでのやり方では通用しない、若者の発想や知恵が求められていく時代になります。なので若い皆さんと一緒にこれからの日本社会を作っていきたいと思っています」