柳家三三出演『グリーン落語会』(@相模大野)

演目

 3月21日発行の本紙でインタビューをした柳家三三が出演する「グリーン落語会」が4月16日、相模大野グリーンホールで開催された。
 共演は、三三師匠曰く「無茶苦茶な人(白鳥)と丸くて悪い人(白酒)、見るからに悪い人(一之輔)」。当日も午前中に大きな余震があったが、三三師匠は「自分たちにできることは落語。落語をやることで応援したい」と言う。娯楽、特にお笑いなど“不謹慎”と言われかねないこの時期だが、客席は「待ってました!」な雰囲気。
 開口一番、きょう介の「手紙無筆」から、一之輔「鈴ヶ森」、白酒「幾代餅」、三三「高砂や」と古典の十八番をきっちりと。そのあと、トリの白鳥師匠が新作「ギンギラボーイズ」を熱演。飛び道具のような落語を聞くと、その会自体がひとつの落語で、白鳥師匠が壮大なオチのよう。ひな壇に座る若手芸人なら、確実に転げ落ちているだろう。
 寄席や独演会もいいけど、芸人のマッチングによって、とんでもないことが起きるのが、こういう会の面白いところ。「全体の流れにうまく乗りながら、自分を客席に印象づける」。三三師匠がインタビューで言っていたことを実感した会だった。それぞれの個性が光る高座も素晴らしく、またぜひ実現させてほしい顔合わせだ。