南相馬市で東電の説明会 しかし期待外れの結果に

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27日、原町第一中学校での説明会の冒頭、謝罪とともに頭を下げた鼓副社長ら

 5月26日から29日までの4日間、南相馬市で東京電力による原発事故についてと補償問題の説明会が開催されている。27日(金)の夜は市内の原町第一中学校で開催、400名を超す市民が集まり説明を聞いた。
 東電からは、鼓副社長、福島地域支援室の土堂副室長、福島補償相談センター・永名所長、第一原発広報部・山田部長の4名が前に立ち、2時間ほどの説明会を立ったまま続行。その説明は、原発事故の収束に向けたステップ、仮払い補償金のほか原発による被害の補償のあり方などだったが、事前に配布された資料を見た市民の多くが「この程度のことは報道でも出ている。今日はこれ以上の説明があるのでは」と期待を見せていたが、実際の説明ではそれを越えるものは一切なかった。また、「線量計は配布されるのか/してほしい」「モニタリング地点を増やしてほしい」「子ども、妊婦対象の健康診断をやってほしい」などといった質問・意見に対しても「前向きに検討する」という言葉に終始。「答えが出ないのであれば、この質問や意見への回答はいつ出してくれるのか」という質問に対しても口をつぐむばかりの説明会となり、実質的な意味があったかどうかは、はなはだ疑問。
 説明会では、感情的になり言葉を荒げる質問者も多く会場が荒れたこともあり、開始後1時間あまりで溜息をついて会場から抜けていく参加者も多かった。また、多くの参加者が終了後に「あまり意味はなかった」と漏らしており、「順次お詫びと説明会を開催しており、市民のみなさんのご理解とご了解をいただきたい」(東電関係者)とは言うものの、理解も了解も、出したくとも出せないやるせない説明会であった。