なでしこジャパンに国民栄誉賞

 枝野幸男官房長官は2日の記者会見で、サッカー女子ワールドカップ(W杯)で初優勝した日本代表「なでしこジャパン」に国民栄誉賞を授与すると正式に発表した。同日午前の閣議で報告した。国民栄誉賞は19例目で、団体の受賞は初めて。

 枝野氏は表彰する理由について「最後まであきらめないひたむきな姿勢で国民にさわやかな感動と、東日本大震災などの困難の中で困難に立ち向かう勇気を与えた」と述べ、なでしこジャパンの功績をたたえた。

 国際サッカー連盟(FIFA)主催大会での日本の優勝は、男女を通じ初の快挙。神戸市内で記者会見した澤穂希主将(32)=INAC=は実感が湧かない様子で「すごい方たちと名前を並べていただいて光栄。この先もいい成績を残せるようにみんなで頑張りたい」と喜びを口にした。

 佐々木則夫監督は「栄誉ある賞を頂き、非常に感激している。選手、スタッフ、女子サッカーをさまざまな面で支えてくれた方々の後押しがあった」と緊張した面持ちで語った。また「国民栄誉賞は長い年月をかけて国民に感動や夢を与えた人たちが受けるもの」と考えていた。それだけに「W杯の急激な躍進で頂いたことに戸惑いはある」と率直に打ち明けた。

 今回の受賞を、日本の女子スポーツ界の環境改善の起爆剤にしたい思いもある。9月にロンドン五輪アジア最終予選を控え、佐々木監督は「受賞してもっとしっかりという思いはある」と表情を引き締め「予選を勝ち抜き、ロンドンでは北京のベスト4以上という目標にトライしたい」と待ち受ける厳しい戦いを見据えた。