〈新企画〉二十歳の視点Vol.6
「学生旅行 京都のススメ」

 京都では現在、様々な場所でライトアップが行われている。桜の開花時期にあわせて4月中旬ごろから始まるものも多いが、今は純粋に建造物自体を照らして浮かび上がらせる幻想的なライトアップを見ることができるのだ。そこで今回は、有名どころ「清水寺」のライトアップについて紹介したいと思う。

 京都といえば学生の定番の修学旅行先である。しかし、修学旅行では決められたところを決められた時間だけ観光していたため、どこへ行ったのかも何をしたのかも正直あまりよく覚えていないという人も多いだろう。今回の目的は、清水寺のライトアップを見ること。しかも行動の全てが人任せではないため、印象に残る旅になるのではないか。行きのバスと民宿のみを予約し、ガイドブック片手にほぼノープランで旅をする。「交通費はケチれ、食費はケチるな」をモットーに、学生旅行らしい京都ひとり旅を行った。
—清水寺の朝は早かった

 夜行バスを使用したため朝5時半に京都駅に着いたのだが、その足で清水寺に向かうと、着いた頃には既に開門されていた。清水寺までの道はものすごく急な上り坂。距離はそんなにないのだが、着いたころにはもうすっかりお疲れ状態。朝は人が少ないだろうと思っていたのだが、修学旅行の高校生たちでとてもにぎわっていた。みんな早起きだ。地主神社で恋愛祈願をしたり、みんなでジャンプする瞬間の写真を撮ったりしている元気な高校生たちに、朝から元気をもらう。高校生に限らず、いたる所でジャンプ写真を撮っている人を見かけたのだが、流行っているのだろうか。

 清水寺から延びる二年坂、三年坂には、たくさんの店が立ち並んでいる。古くからのお店が多く、京都らしい雰囲気の場所だ。朝早かったためまだ開いていない店も多かったが、その代わり開いている店はお客さんでにぎわっていた。多くの店でものすごい種類・量の八ツ橋を試食することができ、お茶までサービスしてくれる。ニッキや抹茶など定番の味はもちろん、さくらやイチゴなどの春らしいフレーバーや塩味の八ツ橋といった変わったものまで販売されている。また「八ツ橋クランチチョコ」や「八ツ橋クレープ」などといった、八ツ橋から派生して作られたお菓子も多かった。お昼ごろになると開いているお店も人の数も一気に増える。世間は春休みということもあり、通りは大盛況。揚げ餅や煎餅、黒豆などの和菓子を食べることができたり、ちりめんやかんざしなど和の小物がたくさん売られていたりと、とても楽しいところだ。

 夜になると、季節限定の特別拝観が行われる。一眼レフカメラを持った人が多く訪れていた。寺全体に青いレーザービームがのびており、赤く照らされた門や塔が漆黒の空に映える。桜はまだ5分咲きだが(3月25日現在)、ライトアップされた夜桜はとても美しかった。門をくぐり、境内へ入る。清水寺隋求堂にて、胎内くぐりを初めて体験。菩薩の胎内に見立てた真っ暗な場所を歩き、悟りを開く。本当に光が全くなく、目を開けても閉じても光景が変わらない。頼りは右手に触れる壁だけだ。

 いよいよ本堂へ。清水の舞台から見る夜景は本当に美しい。山のほうには木々や五重塔のライトアップが見え、市街のほうには京都タワーが見える。逆に他の場所から見る本堂のライトアップもとてもきれいで、寒さも時が経つのも忘れてしまうほどであった。桜がまだ咲ききっていなかったのが残念だったがそれでもとても美しかったのだから、桜が満開の時にはもっと美しい光景を目の当たりにすることができるのであろう。とても素敵なひとときを過ごすことができた。



—京都が見せる別の顔

 京都には清水寺をはじめ、たくさんの昔ながらの建造物が存在する。
 そんな中、最近建てられた新しい施設で注目を集めているのは「京都国際マンガミュージアム」。京都市と京都精華大学が提携して作られた漫画の博物館で、マンガ文化に関する事業を行っている博物館である。今や海外における日本漫画の影響力はハンパない。京都には外国人観光客も多く訪れているため、このような施設を京都に作ることの意味は大きいのであろう。受付嬢も英語がペラペラだ。

 館内に入ると、上から下までびっしりマンガが詰まった棚がズラリ。館内にある約30万点のマンガは自由に読むことができ、とても古いマンガから雑誌、海外のマンガまで種類も豊富。カフェも内接されており、まるでマンガ喫茶のようだ。子ども図書館もあるため、子連れのお母さんにとっても憩いの場となる。

 マンガを読めるだけではなく、マンガに関する展示や特別展も開催されている。現在は寺田克也と安野モヨコの展示がなされており、男女共に楽しむことができる。さまざまなワークショップや似顔絵コーナー、紙芝居部屋まで設置されており、1日中楽しむことができる空間であった。

 京都には美味しい和菓子のお店が多いことは有名だが、洋菓子も負けてはいない。
マンガミュージアムから徒歩10分ほどの場所にある高級チョコレート店「マリベル」。日本では京都にしか店舗がないプレミアム感が興味をそそり、ツイッターで話題になったこともあった。知っている方も多いのではないか。

 大通りから少しそれた閑静な地。京都らしいうなぎの寝床のような建造物が建て並ぶ中に、このお店はひっそりとたたずんでいる。建物の造りはザ・京都なのに、デザインは洋風で水色に統一されている。このギャップが客を不思議な世界へと誘い込む。

 店内にはシャンデリアが吊られており、高級感が漂っている。袋詰めの割りチョコや、かわいいイラストが描かれているチョコレートがずらりと並んでおり、それはチョコレートというよりまるで宝石のよう。割りチョコは全種類試食できるのだが、どれもこだわりがあって本当に美味しい。店内にはカフェも併設されており、超高級チョコレートドリンクやケーキを堪能することができる。チョコレート好きにはたまらない空間となっている。


  京都に対して昔ながらの建造物や和のイメージが強い人は多いと思う。
しかしソフトパワーで海外にまで影響を及ぼしているマンガや、洋菓子の王道チョコレートもこんなにも頭角を現している。これは、京都に対して新しい一面を見出すきっかけになるのではないか。

 もちろん京都だけに限らず、日本には海外に誇れる建造物や自然、世界遺産や美味しい食べ物がたくさんある。もちろん古くからのも、新しいものもそうだ。ぜひ「日本再発見の旅」に出かけてみてはいかがだろうか。