ボランティアがつなぐ小さな命 ペット保護活動の今

 震災を境にそれまでの暮らしを奪われたのは人間だけではない。家族同様に生活していたペットたちもまた突然平和な日常を奪われた。特に原発20キロ圏内の町や村では、町民や村民は泣く泣く家畜やペットを置いて避難しなくてはならず、残されたペットたちは無人の地で生をつないでいた。そんな状況を知り、現在でもペットボランティアが現地入りし、被災地ペットの保護やエサの給餌を行っている。震災直後から現地に通い猫の保護から、飼育先探しをしている「東京ねこユニオン」の川井さんと中村さんにお話を聞いた。

「もとは個人ボランティアで、それぞれが地域のTNR(飼い主のいない猫を保護し、避妊去勢手術を行い、保護した場所へ戻すこと)などをやっていたものが、何かあった時に連携が取れるようにというところからスタートしました」(川井さん)。

「猫は人がいないところでは生きられません。自力でエサを取れる猫はわずかですし、ましてや福島は寒いので、雪が降るとエサも見つからない。本来はTNRをして返してあげたいけど、それは難しい状況なんです。ですから、福島の猫はほとんど保護しています。保護した猫は、譲渡会に参加させていただいたり、インターネットに掲載したりして、預かってくれる方を探します。でも病気があったりなつきが悪かったりすると引き取り手がないので、そういう子は私たちが面倒をみています。これまで300匹以上の猫を保護して、そういう理由で残っているのが20匹ぐらい。うちにも現在6匹の福島猫がいます。ケアできる頭数は限られているのでこれ以上増えると、福島から新たに保護できなくなる。ですから、なるべく引き取っていただけるように、時間をかけても治療したり、なつくようにスキンシップを取ったりするようにしています。」(中村さん)。

 個人で都内の野良猫のTRNなどのボランティア活動を続けるかたわら、連携しながら福島の猫たちの保護活動を行っている2人。自宅ではそれぞれ引き取り手の見つからない猫たちの面倒をみている。猫だって飢えと寒ささえしのげれば幸せなのではない。安全だと思える環境で、一緒にいると安心する人と暮らすことが幸せなはず。東京で新たな人生(猫生?)を送る猫たちが、そんな幸せな時間を過ごせますように。