高谷が1RTKO勝ちでMVP 佐々木が石渡との対戦をアピール

『VTJ 4th』リポート

 ケージで開催される総合格闘技『VTJ 4th』が23日、東京・大田区総合体育館で開催された。
 メーンではDREAMフェザー級王者の高谷裕之がパンクラスフェザー級3位の内村洋次郎を迎え撃った。高谷は昨年6月の『VTJ 2nd』以来の参戦。前回はダニエル・ロメロ相手に1RでKO負けを喫した。その後、高谷は11月にシュートボクシングに参戦。トビー・イマダと対戦するも引き分けに終わり、2011年大晦日のリオン武戦以来、白星から見放されていた。
 キャリアは高谷のほうがはるかに上。しかし対する内村は昨年、強豪のマルロン・サンドロと引き分け、「今年は海外に出て行きたい」という目標がある勢いのある選手だ。互いに打撃を得意とするだけにKO必至と予想された一戦は、高谷が1R1分27秒で貫禄のTKO勝ちを収めた。
 序盤は内村がワンツーパンチにハイキックと果敢に手数を出していくが、高谷は一連の攻撃を受け流すと、体重の乗った右ストレート一閃。ダウンした内村に追撃のパウンドを落とすとレフェリーがすぐにストップした。高谷は大会MVPに輝き、賞金100万円を手にした。
 セミでは宇野薫が米国のジェシー・ブロックとの日米業師対決を3−0の判定で制しVTJ3連勝。3度目のUFC参戦という目標に向け、またひとつ大きな勝利をあげた。
 今大会から8人が参加する「VTJ フライ級トーナメント」が開催。1回戦4試合が行われ、カナ・ハヤット、扇久保博正、シーザー・スクラヴォス、神酒龍一が勝ち上がった。
 スクラヴォスは事実上の決勝戦ともいわれたマモルを1R1分28秒、チョークスリーパーで失神させ一本勝ちを収めた。

神酒が前田に判定勝ち
 修斗の現バンタム級世界王者の神酒と元パンクラスフェザー級&DEEPバンタム級王者の前田吉朗の注目の日本人対決はジャッジ三者ともに29−28の3−0で神酒が判定勝ち。
 序盤から激しい打撃戦を展開した両者。最終ラウンドも前田が「来いよ」とばかりにノーガードでの打ち合いを要求すると神酒もそれに応える。熱い攻防の中にも、序盤からタックルを織り交ぜテイクダウンからグラウンドへと冷静に戦った神酒が接戦を制した。
 元修斗フェザー級環太平洋王者の佐々木憂流迦は第1試合で石原夜叉坊と対戦。1R早々にマウントからバックに移行しチョークを狙う。秒殺か!?と思わせたが、勝負を急ぎ、石原に逃げられてしまう。その後、石原の打撃が佐々木を襲う。佐々木はタックルも距離が遠く決められない。嫌な雰囲気で1Rが終わり、迎えた2R。佐々木はタックルを潰されるが引き込み、即座にリバーサルに成功しバックを取るや、今度は逃がさずチョークスリーパーで一本勝ちを収めた。
 試合後、佐々木はバンタム級・キング・オブ・パンクラシストの石渡伸太郎に「金網ヒジありでやりましょう」と対戦をアピールした。