江戸瓦版的落語案内 Rakugo guidance of TOKYOHEADLINE 「ネタあらすじ編」

落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。
のめる

 酒好きで、すぐに「飲める」というのが口癖の男が友達に「お前さ、なにかにつけて“つまらない”っていうのはやめたほうがいいよ。口癖だと思っていても言われたほうは面白くない」。言われた友達は「なるほど。じゃ、お前もその“飲める”って口癖やめないか」と、お互いの口癖を禁句にすることに。しかし、ただやめたのでは面白くないので、うっかり言ってしまったら、1円の罰金を払うことにした。そうと決まったら友達から1円をせしめてやろうと、「飲める」が口癖の男が隠居の所に知恵を拝借に。隠居は「糠で手や着物を汚して、練馬の親類から大根をもらったんだが四斗樽がない。醤油樽につかるだろうか」と聞いてみれば相手は「醤油樽には詰まらない」と答えるだろう教えた。さっそく糠だらけの姿で相手の家へ。「…ということなんだけど、醤油樽に詰まるかね」と聞くと相手は「そりゃ、詰まら…、いやへえらねぇ」「いや、詰まるかね」「だから多過ぎだ」「詰まるかね」「残るよ」「全部入れたいんだけど、詰まるかな」「樽のタガが外れるね」と、全然引っかからない。それどころか、そわそわし始めたので聞くと、これから外出するという。「伊勢屋の婚礼に呼ばれてるんだ」「婚礼?いいな、そこで飲めるじゃねぇか」。思わず「飲める」と口にして、まんまと1円取られてしまった。そこで再び隠居の所に行って、次の知恵を借りることに。すると今度は「相手が来るのを待て。来たら、絶対に詰められない詰将棋の棋譜を教えるので、そのように駒を並べて将棋盤の前で考えている振りをしなさい。大層将棋が好きだと聞いているから、きっと相手が盤をのぞきこんでしばらく考えたあと、お前さんが“どうだろう”と言うと、“これではとても詰まらない”と答えるだろう」と知恵をさずけた。数日後、隠居に言われたとおり、湯屋を誘いに来る時間に将棋盤の前で考え込んでいると案の定盤をのぞき考えている。しばらくして「どうかね」とさりげなく聞いてみると「うーん、こりゃだめだ。詰まらない」と答えた。大喜びする男に「お前さんにしてはよく考えたな。褒美に倍の2円をやるよ」「ありがてぇ、一杯飲める」「ほら言った。差し引いておこう」
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