大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)
第34回 何が敵か。

 今月の2日、『キキマス!』でも予告していましたが、横浜スタジアムに行ってきました。ベイスターズの本拠地開幕戦。対カープの3連戦の最終日。いい試合でした。勝ちましたし、ドラマティックだったし、いい日に観戦できたなって思います。

 この日は、僕と息子、スタッフ、それにニューロティカのあっちゃん、ピエロ姿でボーカルを担当している人ね、そのメンバーで行きました。あっちゃんは八王子でお菓子屋をやっているので、そのお菓子をくれたりするもんだから息子は大喜び。家に帰ってから息子にニューロティカのビデオを見せながら、このピエロの格好している人があっちゃんだよって教えました。息子が「とってもいい人だったから、またお会いしたいって言っていたと伝えておいてよ」ですって。何なんですか、その反応。

 あっちゃんを見ていると、バンドの続け方を見つけた人だなって思います。ニューロティカは去年結成30周年を迎えたんだけど、そのあいだにはバンドブームがあり、バンド的にもいろいろあって、今はオリジナルメンバーは、あっちゃんだけなんです。こういう場合、ライブでは、昔のっていうか、かつての体制で発表した楽曲で盛り上がることが多いんだけど、ニューロティカは新たにスタートを切った楽曲のほうが盛り上がります。これってすごいことですよ。

「バンドってこうじゃなきゃいけない」っていうようなことを言う人、いますよね。それって芸人についても同じで、芸人への愛からそういうことをいってしまうんだと思います。でもそれって、愛があるようでいて、同調圧力であって、一番いらないもの。一番の敵なんです。バンドにしても芸人にしても、いろんな形があってよくて、大切なのはそれを熱を持ってやり続けることだと思います。新学年とか、新社会人とか新しい環境でスタートした人もいると思いますが、そのなかで「こうじゃなきゃいけない」っていうのがあると思う。もちろん、やらなければいけないこともあるよ。それをしたうえで、いろんな形ってあっていいんじゃないかなって思いますね。

 最後になりますが、あっちゃんがどうやって「見つけたか」を知りたい方は、ドキュメンタリー映画『あっちゃん』をぜひ見てください。ニューロティカの結成30周年を記念したドキュメンタリー映画です。朝早く起き、店のシャッターを開け、お菓子を詰める。夜はライブをするか、スタジアムかテレビの前でベイスターズ観戦…そんなあっちゃんの生き方が映し出されています。ちなみに、この映画にまつわる資金はクラウドファンディングで賄われていて、1000万円近い金額が集まったそうです。それだけ見たい、『あっちゃん』の映画を作ってくれよって人がいたってことが、すごいですよね。渋谷HUMAXシネマで、18日から公開です。

kikimasu.jpg大地洋輔との本格派漫才コンビ・ダイノジで活躍。個人でリポーターや司会、DJ活動なども行う。1972年生まれ。
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