2015年GW キーワードは「新顔」と「定番」!
六本木アートナイト2015

 六本木の街が一夜限りのアート空間に変身! 2009年にスタートし、今回で6回目(2011年は震災の影響で中止)を向かえる一夜限りの大人気アートイベント。『六本木アートナイト』。日没から翌日の日の出までを“コアタイム”とし、六本木の美術館や文化施設、商業施設、ストリートなどで多彩なアートが一夜にわたって繰り広げられる。

 6回目を迎える今年は、2013年からアーティスティックディレクターを務める日比野克彦氏に加え、新設されたメディアアートディレクターとして株式会社ライゾマティクスの齋藤精一氏が参加。近年、さまざまな場で注目されるメディアアートにスポットを当てた今回は、テクノロジーから生まれたアートや“光”に関わるアートなどが多数登場。

 さまざまな光が彩る一夜となりそうだ。ますますコンテンツが充実しているので、イベントの時間を事前にチェックして行動スケジュールを考えておくと便利。また当日、参加美術館では閉館時間が延長されるうえ、この日限定のワークショップや観覧料の割引などうれしいサービスも多いので、見たかった展覧会をこの機に見ておくのもありだ。

「1000年経っても…春はあけぼの」
『六本木アートナイト2015』アーティスティックディレクター

日比野克彦

「六本木アートナイトには、街場でアートが繰り広げられる面白さと、一夜限りという限定的な面白さがあるんですよね」。2013年以来、アーティスティックディレクターを務める日比野克彦氏はこう語る。

「街の至る所で繰り広げられるので、鑑賞者と参加者が同じ側になることもあるし、アーティスト同士の交流が生まれたりもする。インスタレーションにパフォーマンス、ワークショップなど、一見何でもありのようですが、毎回新しくテーマを設けているので、そのテーマならではの楽しさもあるんですよ。僕がディレクターとなって3回目の今年は“ハルはアケボノ ひかルつながルさんかすル”をテーマに、メディアアートに注目します」。広域プログラムのメインとなるのがクリエイター集団・ライゾマティクスによる“光る大型アートトラック”。ハル号、アケボノ号と命名された光るトラックが、街にあふれるさまざまな情報やデータを集約し、刻々とビジュアライズしていくというインタラクティブなアートプロジェクトだ。「スマホやタブレットが普及したことにより、デジタルアートはますます、多くの人が楽しめるものになっています。今や携帯端末は身体の延長のようなもの。しかしいくらテクノロジーが進化しても睡魔はやってくるし(笑)、地球は回転して夜明けが来る。1000年前に清少納言が感じた“春はあけぼの”の感覚は、現代人も変わらずに感じることができると思うんです。ぜひ夜明けまで参加して、あけぼのを一緒に迎えてほしいですね。なんとも言えない“やりきった感”がありますから(笑)」。

 六本木の街行く人がアートでつながる特別な一夜。SNSにはアップしきれない感動がまっているはず。

『六本木アートナイト2015』
【日時】4月25日(土)10時〜26日(日)18時 ※コアタイム:25日18時22分(日没)〜26日4時56分(日の出)【会場】六本木ヒルズ、森美術館、東京ミッドタウン、サントリー美術館、 21_21 DESIGN SIGHT、国立新美術館、六本木商店街、その他六本木地区の協力施設や公共スペース【URL】http://www.roppongiartnight.com