BLADE.2 -55kgトーナメントで完全優勝の那須川が「武尊と戦いたい」

 キックボクシングの「BLADE.2」(1日、東京・大田区総合体育館)で国内の-55kgのトップファイター8人によるワンデートーナメント「BLADE FC JAPAN CUP 2015 -55kg」が開催され、大本命の那須川天心が3連続KO勝ちで優勝した。
 那須川はデビュー以来6戦全勝でRISEバンタム級王者に君臨する驚異の16歳。今回のトーナメントでは大本命として全選手のターゲットにされるなかでの圧勝劇だった。
 那須川は1回戦ではDEEP☆KICK 55kg王者の鈴木真彦と対戦。スピート感あふれるパンチ、キックで圧倒し、コーナーに詰めてのパンチの連打で1度目のダウンを奪う。なんとか立ち上がった鈴木が放ったミドルキックに左フックを合わせて、2度目のダウンを奪い、KO勝ちした。
 準決勝ではREBELSの小笠原裕典と対戦。小笠原は身長178センチ。162センチの那須川より16センチも高く、リーチの長さも含め那須川にはやりにくい相手なのでは?という戦前の予想もあった。しかし1R開始早々にハイキックを放ち、身長差が小笠原にとってアドバンテージにはならないことを見せつける。2Rこそ小笠原が反撃する場面も見られたが、3Rにはロープ際に小笠原を誘い込み、カウンターの左フック一閃。この一発で前のめりにダウンする小笠原にとどめの左フックを追撃。鮮やかなKO勝利を収めた。
 決勝に勝ち上がってきたのはシュートボクシングの日本スーパーバンタム級王者・内藤大樹。内藤は1回戦ではREBELS 55kg王者の工藤政英と対戦し、左ボディーから体勢を崩しながらの返しの右フックで1RKO勝ち。準決勝では元RISEバンタム級王者の村越優汰をジャッジ三者ともに29-28の判定で破り、ここに勝ち上がってきた。

 那須川は決勝では矢沢永吉の『止まらないHa~Ha』で入場。ここまでの鮮やかな2連続KOで、もともとホーム感のあった会場は大那須川コールで迎え入れる。
 内藤にとっては完全アウェーの空気のなかゴングが鳴る。
 開始早々、那須川の右ジャブからの左ハイキックが炸裂。ばったりと倒れた内藤。あまりの鮮やかなキックに会場がどよめく。
 しかしこういった逆境に異常なまでの強さを発揮するのがシュートボクシングの選手。内藤はふらつきながらも立ち上がると、大きなダメージがありながら果敢に前に出る。しかし左フックにヒザをつき2度目のダウン。なおも立ち上がりファイティングポーズを取るが、最後は強烈な左ストレートを食らい3度目のダウン。
 那須川が1R1分41秒、KO勝ちを収めて、優勝を飾った。
 那須川は試合後のリングで「やりたい選手がいる」としてK-1 WORLD GP -55kg王者の武尊の名をあげ「全試合KOしたので僕のほうが上なんじゃないかと思う。RISE最強です」と言ってのけた。
 会見でも「向こうに乗り込んでも大丈夫。でもこっちは全部KOで倒したんで、こっちに来てくれって感じですね」と再度、武尊戦をアピール。海外の強豪との対戦に水を向けられても「海外!? やりたいですが、まずは日本最強になってから。武尊選手以外は気にしていない」と話した。
 果たしてこの団体の垣根を越えた一戦は実現するのか…。