3・4「K-1 -65kg日本代表決定トーナメント」山崎が“3強”破り一気に−65kgの中心に立つ

〈トーナメント決勝 山崎vs野杁〉山崎(左)のパンチが野杁の顔面にヒット。判定の末、山崎の手が上がった(撮影・辰根東醐)

「K-1 WORLD GP 2016 ~-65kg日本代表決定トーナメント~」(3月4日、東京・国立代々木競技場第二体育館)で行われた日本代表決定トーナメントで山崎秀晃が優勝。6月24日に行われる「世界トーナメント」へ駒を進めた。

 山崎は2014年11月に行われた「K-1-65kg初代王者決定トーナメント」の1回戦で現王者のゲーオ・ウィラサクレックと対戦し、数字上は三者とも30-29の判定負けだったものの、額の陥没骨折と眼窩底骨折の大怪我を負わされ、長期欠場の憂き目に遭うという屈辱の敗戦を喫した。昨年6月に復帰しKrushで-63kg級王座を防衛したものの、ゲーオへのリベンジを見据え王座を返上し、-65kgへ階級を上げ、Krush-65kg王座を獲得。結果を残し、この舞台に上がってきた。

 しかし山崎がK-1から離れている間、-65kgの風景は大きく変わっていた。
 今大会のパンフレットに掲載されたマスコミの優勝予想で山崎の優勝を予想する者は一人もおらず、1回戦を突破すると予想した者も2人だけという状態。
 一夜明け会見では「周りはそういう目で見ているんだと、反骨精神が沸きましたけど、悔しかったですね」と務めて冷静に話してはいたが、はらわたが煮えくり返っていたに違いない。

 そんななか迎えたトーナメントで山崎は1回戦で左右田泰臣に2R32秒、右アッパーからの4連打でKO勝ち。
 準決勝の久保優太戦では1Rにカウンターの右フックでダウンを奪われ、パンチは久保の巧みな防御で交わされるなど苦しい展開が続いたが、3Rに入って秘密兵器ともいうべくサイドキック(掛け蹴り)を繰り出すと形勢逆転。サイドキックで2度のダウンを奪い逆転KO勝ち。3R2分57秒というギリギリの勝負をものにした。
 決勝で戦う野杁正明とは昨年8月のKrush名古屋大会で対戦し、延長の末、判定で敗れている。

 試合はがっちりガードを固めた野杁がプレッシャーをかけ前に出て、ローキックやヒザ蹴りを放つ中、山崎は足を使って距離を取ってはパンチで反撃。2Rには久保を撃破したサイドキックも交えペースを握るが、野杁も徹底したローキックとヒザ蹴りで反撃。最終3Rも一進一退の攻防が続いたが、手数と勢いで勝った山崎が2-0の判定で勝利を収め、優勝を果たした。

 左右田、久保、野杁という強豪を一夜にして破った山崎は一気に-65kgの中心に立つ存在となった。
 試合後の会見でも「トーナメントが決まったときはマジかと思ったんですけど、客観的に見て凄いですよ(笑)」と話し、一夜明け会見でも「これで胸を張って、僕が中心に立って、K-1を広めていくことができる。“-65kgは俺を見とけよ”と、背負う自覚が芽生えています」と話した。

 次の標的となるゲーオは一度敗れた木村にはきっちり実力を見せつける形でKO勝利。左右田との再戦では何もさせずに圧勝するなど絶対王者ともいえる強さを維持し続けている。果たして山崎のリベンジはなるのか…。その結果は6月24日に出る。

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