脱こじらせへの道 第22回 なぜ女性はおごられたいのか?

男性とのデート、支払いはワリカン? おごり? 何が理想?

 前回は自己評価における他者の視点の介在、それが引き起こすコンプレックスについてお話しました。
 
 今回は「男性とのデート、支払いはワリカン? おごり? 何が理想?」というアンケートをもとに、また他者の視点の介在について探ってみます。

 デートの支払いで他者の視点の介在? と思われる方も多いと思いますがまあ聞いてください。

 まずアンケートを見ると、
「彼が多めに支払う」という意見が半数以上を占めました。
 そして「割り勘」「彼が全額負担」と続きます。
 一人だけ「自分が多めに払う」という人がいました。

 この結果を見て、アラフィフの担当編集Aさんは「最近の若い女の子はいくらかでも払ってくれるのか…。時代は変わったな…」とおっしゃってました。

 というように、このテーマは時代とともに結果も大きく変わってくる部分が大きいようです。

 Aさん世代だと男が全額払うというのがスタンダード。
 でも今は経済とかいろんな状況が変わってきたので、男が多めに払ったり(女性も払う)、割り勘というのが多くなってきています。それが当たり前になってきました。

 ここで注目すべきことなのは「多めに払いたい」という女性が少ないということと、「本音を言うと、彼が多めに払ってくれるとうれしい」という心の奥底の意見が見え隠れしていること。

「できるかぎり男性に多く払ってほしい」というのは、旧態依然な考え方に基づいているところもあるかもしれませんが、そればかりではないと私は思うんです。

 お金を多く出してもらえること=特別な女性として扱われていると思える、という意識が裏側にある場合があるのではないでしょうか。

 私はフェミニストではないのですが、少なくとも日本では、女性は化粧をしたり外見をきれいにしたりすることを求められますよね。
 一般社会では、化粧をしていることがマナーとすら考えられています。男性はすっぴんなのに、です。
 そういうところから女性は、社会から「女性であること」を求めてられているということがうかがえます。男性中心の社会だからこそ、男性とは異なる存在である「女性」として存在することを求められている、とも言えます。

 ただ、それ自体は仕方のないことだと思います。「女性の社会進出」という言葉があるくらい、社会は男性中心で動いてきた長い長い歴史があるのです。
 その点に関しては、今回のコラムでは一旦おいておきましょう。

 ただそういう「女性」としての存在を求められての弊害があります。
 女性が必要以上に「女性」であろうとしてしまうことです。
 いつもダイエットをしていたり、ネイルアートやまつ毛エクステも定番化。最近ではカラーコンタクトをしている女性がすごく多いことに、男性の皆さんは気づいているのでしょうか? プチ整形だけじゃない美容整形をする女性も少なくありません。

 もっとキレイになりたい、と理想の自分を追いかけて、自分磨きを続ける女性。
 最初は自分のためだったのに、いつしかそれを「認めてもらいたい」「ほめてもらいたい」と考えるようになってしまう。

 だから、自分には魅力や価値があり、その対価としておごってもらいたい。

 昔は男性のほうが稼ぎも良かったですから“依存”という側面があったと思うのですが、今は自分の価値を測るものさしになってきている。

 おごられる、たくさん出してもらえる特別な自分という考え。
 決して自分磨き=男性に愛される、という図式は成立していないにも関わらず、です。
 どうですか? こんな自分磨きはこじれてますよね。

 もちろんそうじゃない人もいますよ。純粋に美を追求したい、とか、メイクが大好き、という人もいると思います。

 でも、ネイルアートを新しくした、ダイエットスムージーを作った、とか、インスタグラムにアップしたりとかしますよね。
 その目的はなんでしょうか? 他者とのつながりですか? それとも、他者からの評価でしょうか?
 日本の女性は他者の評価に依存が非常に大きい、そして承認欲求も大きい。男性にそういう部分が皆無とはいいませんが、圧倒的に女性のほうがその傾向があると思います。

 GIRL’S CHでは、レビューに「わかる!」ボタンというものがあります。

 誰かのレビューに賛同したときに、「いいね!」のようにクリックしてもらうものなんですが、この「わかる」ボタンには、女性の承認欲求を満たしてレビューの書き込みを促進させたい、という目的もあるんです。

 先日、テレビでやっていたんですが、外国人は、日本人がSNSでご飯の写真ばかりを上げることを変だと思っているようです。

 外国人は自分を中心に考えているから、美味しいものを食べたとしても、美味しいものと自分で写真を撮る。
 日本人はご飯だけを撮る。

 自分が中心にいないというのは日本独特の文化かもしれないですね。
 これを広げていくと、他者に依存するという傾向が強くなってくるのではないでしょうか。

 アンケートをみると、割り勘と答えている人は20代〜30代が多いんです。
 それを見たAさん曰く「でも僕が20代の子と飲んだとしても、その子は割り勘にはしてくれないですよね」。

 でも時と場合によるんじゃないでしょうか。チェーン系の居酒屋で総額3000円くらいだったら「割り勘かよ!」と思うかもしれませんが、フレンチで2人で1万円とかする高いところだったら「2000円だけいい?」「分かりました」なんて感じになりませんかね。

 ちょっと勇気を出して言ってみればいいのに。
 結果がどうなるかは責任持てませんが。

 ただ合コンなんかは、まだまだ全額男性負担が多いですよね。
 まあ合コンは置いておくとして…、将来的にはもっと割り勘が多くなってもいいと思うし、そうなっていくんだろうと思います。

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田口桃子(たぐち・ももこ)
GIRL'S CHプロデューサー。2007年、新卒でソフト・オン・デマンド(株)に入社。
営業、マーケティング等の部署を経て、2012年よりGIRL'S CHの立ち上げに携わる。
以来現在まで、GIRL'S CHの現場リーダーとしてサイト運営をしつつ、オリジナル動画ではレポーター出演等をすることも。

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