脱こじらせへの道 第49回 女性向けAVに求めるられるものは?

キュンとしたい?あなたが女性向けAVに求めるものは?

 ここ最近は業務の兼ね合いで、男性向けのAV作品やサイトを見る機会が増えました。
 女性向けの担当が長かったので、久しぶりに男性向け作品に触れて、こうも違うのかとびっくり。
 パッケージの色使いから、タイトルのつけ方、あらすじまで、何から何まで違うのです。

 そんなわけで今回は、こんなアンケート。

「キュンとしたい?あなたが女性向けAVに求めるものは?」

「キュンとするドラマ」を求めるという意見がもっとも多いという結果になりました。
 よく、女性向けAVについて説明されるときに、「イケメン男優が出演していてドラマがあって…」という風にいわれるので、なんとなくイメージがつくという方もいらっしゃるかもしれません。

 実際には、アンケートの回答などにもあるように、「感情移入して見ることができる」ということが重要視されていて、必ずしも物語的に複雑なものが求められている、ということではないんですね。

 というのも男性向けAVの場合、最初から男性は「こんなエロいものが見たい」という具体的なイメージをもって見る人が多い。
 作り手も、「こういうジャンルです」「こんな部分がエロいです」というところが明確な場合が多いので、見る側にとっては作品を選びやすく、感情移入するのが容易です。

 一方で女性の場合、「こんなエロが見たい」というものがある人は少なく、男性向けのジャンルやパッケージを見てもピンと来ないことがあったりします。
 だからこそ、感情移入していって「このエロが良い!」と思うまでの過程が必要ということなのだと思います。

 買い物の仕方なんかも、男女でそんな風な違いがありますよね。

 アンケートの回答の中には、「ハードなセックスシーンを好む」と答えた女性ユーザーもいらっしゃいますし、前回お話したような「オナニーのためにAVを見る」という女性ユーザーもいらっしゃいます。
 女性向けAVを表現する言葉として、「ドラマ作品」ではなく、「過程を大切にする作品」というほうが適切な表現なのかもしれませんね。

 これはおそらく実生活でもそうです。
 男性から女性に向かっていきなり、セックスしよう!なんて言ったらセクハラどころか不審者扱いされてしまいます。
 だから、男性はセックスするまでの過程に重きをおいて口説いてみるといいのではないかと。

 ちなみに、男性向けと女性向けの一番の違いって、内容というよりもパッケージなのではないかなと最近思っています。
 男性向けの作品は、原色、出演者が正面を向いている、感嘆符多め。
 闘争心を刺激して興奮させて、購買意欲につなげているのではないでしょうか。

 女性向けでは、そういう表現はあまり使いません。
 女性向けは興奮よりも、落ち着きや安心できるような表現のほうが、共感を得て購買意欲につながるように思います。

 男性と女性が、本能的に求めているものの違いが、このAVパッケージという第一印象に色濃くでているんです。
 よかったら、AV作品を見てみるときに、そんなことも気にしてみてくださいね。

田口桃子(たぐち・ももこ)
GIRL’S CHプロデューサー。2007年、新卒でソフト・オン・デマンド(株)に入社。
営業、マーケティング等の部署を経て、2012年よりGIRL’S CHの立ち上げに携わる。
以来現在まで、GIRL’S CHの現場リーダーとしてサイト運営をしつつ、オリジナル動画ではレポーター出演等をすることも。

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