キックトーナメントの那須川天心の相手はラウェイ王者・浜本【12・27、31 RIZIN】

 RIZIN FIGHTING FEDERATIONが12月12日、都内で会見を開き、「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017 バンタム級トーナメント&女子スーパーアトム級トーナメント 2 nd ROUND/Final ROUND」(12月29、31日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ)の追加対戦カードを発表した。

トーナメント1回戦で対戦する那須川(左)と浜本(右)

浜本の「執念で何度でも立ち上がる」に那須川は「倒れること前提?」

 先に発表された「RIZIN KICKワンナイトトーナメント」の那須川天心の1回戦の相手は浜本“キャット”雄大となった。浜本は素手で殴り合うミャンマーの格闘技「ラウェイ」で日本人で初めてILFJ認定ラウェイチャンピオンに輝く強者。

 この決定について榊原信行RIZIN実行委員長は「公募には国内外から30人以上の選手から応募があった。その中で、ラウェイの王者であるということ、那須川選手を数年にわたって追い続けてきたということ、一番最初にアクションを起こしたということ」と浜本に決定した経緯を説明した。

 かねてから那須川との対戦を熱望していた浜本が「ラウェイのチャンピオンとして天心選手をぶっ倒します。執念に似たもの僕は思っています。ラウェイに出たのも天心選手にたどりつくための必要な経験だったんじゃないかと思っています。絶対勝ちます」と意気込むと、那須川は「相手が気合入っていますので、いつも通り普通に必ず倒します。浜本選手、頑張ってください」とクールに対応。

 また浜本が「天心選手意識し始めたのは天心選手がデビューした時から。55kgのトップ選手としてバリバリやっている。僕も55kgでやっている以上、No.1に立ち向かっていかないと格闘技をやっている意味が無いと思っているので、一番強い奴とやりたい。天心選手戦えるレベルの選手はほとんど残っていないと思う。スピードとタフさ。僕はその2点を持っていると思う。プラス気持ち。執念ですね。腹でもローでも絶対に倒れない。顔を打たれても何度も立ち上がります。それで返しの刀一発で天心選手を悶絶させたい」と言えば、那須川は「(浜本は)トータルでなんでもできる選手だと思います。僕に対しての気持ちが強い選手かな、というぐらいですね。(何度でも立ち上がるという言葉については)倒れる前提なんだなと思いました」とさらりとかわした。

好対照なコメントに終始したストラッサー(左)と北岡

年末の第1試合で北岡悟vsストラッサー起一

 7月大会で矢地祐介に敗れた北岡悟が再起戦に臨む。対戦相手は今年6月までUFCで戦っていたストラッサー起一。通常、北岡はライト級、起一はウェルター級を主戦場に戦っているが、今回は75kg契約での対戦となる。

 ストラッサーは「UFCを離脱してこんなに早いタイミングで日本で、そして急なオファーということで75kgで試合を組んでいただいた関係者のみなさん、そして受けてくれた北岡選手に感謝してます」としたうえで、「北岡選手は素晴らしい選手と思っているが、自分とはちょっと因縁みたいなものがある。12月29日のリングの上でしっかり自分を証明したい。そして今回、五味選手と矢地選手が72kgで試合をする。自分も72kgを視野に入れて、北岡選手を倒したうえで、その勝者と戦いたい」とアピール。対する北岡は「やっぱり、年末に俺が必要ということでしょう。以上です」とあっさりとしたもの。

「因縁」発言についてストラッサーが「自分がUFCに行く前後に、SNSでいろいろと書かれていたことがあって。そこを自分は結果で示そうと思って、日々結果を出していました」といえば、北岡は「どうでもいい。試合と関係ないでしょ」と受け流した。

 この試合は29日の第1試合に決定。年末の2大会の雰囲気を左右する大きな意味を持つ試合となるだけに髙田延彦RIZIN統括本部長が「寝ないで一発狙ってガンガン行ってほしい」と要望を出す。これにもストラッサーが「KOで仕留めます」と意気込むと、北岡は「北岡悟の試合が年末の第1試合にふさわしいと榊原さんが決めて指名してくれたんだと思うんです。北岡悟の試合です。俺は俺の試合が一番格闘技らしい格闘技の試合だという自負があります。立ってやるとか寝てやるとかそういうことではない。戦うだけです」とそのスタイルを貫き通した。

旗揚げ戦以来のRIZIN参戦となる高谷

高谷は朝青龍の刺客と対戦

 2015年のRIZIN旗揚げ戦に出場した高谷裕之が2年ぶりの参戦。DEEPに参戦経験のあるモンゴル人ファイター、バータル・アズジャブハランと対戦する。アズジャブハランは元横綱・朝青龍の推薦選手で、試合当日は朝青龍がセコンドにつくという。

 高谷はRIZINでDJ.taikiに勝利後、2016年は3連敗。しかし今年、パンクラスの10月大会で、元UFCファイターで日本のフェザー級のトップファイターである日沖発を1RKOで下し、復活を遂げたばかり。

 高谷は「2年ぶりに参戦できることを光栄に思います。年末のRIZINなので1秒でも早く仕留めて盛り上げたい」と話した。

渡辺(左)と杉山はコメントで静かに火花を散らした

女子注目の一番!杉山しずかvs渡辺華奈

 大きな盛り上がりを見せる女子格闘技からまた興味深いカードが実現。今年2月に約2年ぶりの復帰を果たして以降、2連勝と完全復活した杉山しずかと12月の「DEEP JEWELS 18」でデビューしたばかりの渡辺華奈が対戦する。

 渡辺はデビューしたばかりとはいえ、柔道四段で全日本指定強化選手に7年間選ばれ、オリンピック最終選考会には3度出場するなど柔道の実績には輝かしいものがある“期待の大型新人”。

 渡辺が「私は今回、総合2戦目ですが、日本のトップファイターに割って入れると思っています。杉山選手は日本最強の選手の一人だと思っていますが、今までやってきたことすべてにおいて私のほうが上だと思っています。必ず勝ちに行きたい。杉山選手を倒し、この階級のトップに躍り出たいと思っています」と言えば杉山は「私は総合格闘家として総合格闘家の渡辺選手を倒します。柔道対空手とかじゃないです。総合格闘技の試合を正々堂々とやりましょう」と応じた。