白井昇×長塚圭史の強力タッグ『華氏451度』

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『華氏451度』

 華氏451度というのは紙が燃え始める温度のこと。本作は本の所持や読書が禁じられた架空の社会を舞台に、SF界きっての抒情詩人といわれるレイ・ブラットベリが現代社会を鋭く風刺したディストピア小説で1966年にはフランソワ・トリュフォーによって映画化もされている傑作。今回は長塚圭史が小説から脚色して新たに上演台本を作成。白井晃×長塚圭史の強力タッグで舞台に挑む。

 物語の舞台は書物を読むことが禁じられた近未来。本を所持することも禁じられ、見つかるとすぐに「ファイアマン」という期間が出動し本を焼却したうえ、所持者は逮捕されてしまう。そのファイアマンの1人がある女性と知り合ったことをきっかけに、これまでの自分の所業に疑問を持つことになる。彼は隠れて持ち出した本を読むようになり、そして追われていく身となっていくのだった。

 原作が発表されたのが1953年。当時は本がラジオに取って代わられるのでは、という危機感から生まれた作品なのだが、65年が経った現在の日本ではもっと他の意味合いも読み取れそうで興味深い。

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『華氏451度』
【日時】9月28日(金)〜10月14日(日)(開演は日月14時。水は3日19時、10日14時。木は4日14時、11日19時。土13時/18時、29日は18時の回のみ。休演は火金、ただし28日(金)は19時の回あり。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前)
【会場】KAAT神奈川芸術劇場〈ホール〉(日本大通り)
【料金】全席指定 S席7000円、A席5000円/U24チケット(24歳以下)3500円/高校生以下割引 1000円/シルバー割引(満65歳以上)6500円 ※U24、高校生以下、シルバー割引はチケットかながわの電話・窓口で取り扱い(前売のみ、枚数限定)。
【問い合わせ】チケットかながわ(TEL:0570-015-415=10〜18時 [HP])【原作】レイ・ブラッドベリ
【上演台本】長塚圭史
【演出】白井晃
【出演】吉沢悠、美波、堀部圭亮、粟野史浩、土井ケイト、草村礼子、吹越満