「MITAKA“Next”Selection 24th」が9月1日スタート。今年は「劇団アンパサンド」と「排気口」の2劇団

(撮影:澁谷桂一)

 三鷹市芸術文化センターの名物企画「MITAKA“Next”Selection」が今年で24回目を迎える。

 2000年代に出演した劇団を見回すと、猫のホテル、動物電気、ONEOR8、ポツドール、ままごと、サンプル、モダンスイマーズ…当時、新進気鋭といわれた若い劇団の名が並ぶ。今でも劇団として変わらぬ活動を続けている者たちがいれば、解散・活動休止し、それぞれがまた新しい劇団を作り活動を続けるといったケースも多く、この企画が日本の演劇界に与えた影響の大きさを感じざるを得ない。

 この企画はプロデューサー的な立場でかかわる三鷹市スポーツと文化財団の演劇企画員の森元隆樹氏が立ち上げたもので、出演する劇団については森元氏をはじめとしたスタッフたちが公演に足を運び、自らの目で見て、脚本や演出に優れていると思った劇団に声をかけ、出演してもらうというスタイル。

 そんな“目利き”たちが今年、送り出してくれるのが「劇団アンパサンド」と「排気口」の2劇団。

 劇団アンパサンドは2016年に作・演出を務める安藤奎が立ち上げた劇団。当初、構成員は安藤のみで公演の都度、俳優を集める形を取っていたのだが、2021年にはこれまでも多くの公演に出演していた俳優の菅原雪、深見由真が劇団員となった。コロナ禍で長く劇場公演を行えない時期には「渋谷コントセンター」で活動を続け、昨年は年3回の本公演を行った。

 安藤の作る作品は現代社会のスケッチの技巧と展開が予想できない独自の物語力が魅力。

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