植山征紀が悲願のスーパーバンタム級王座獲得【11・18 SB S-cup】

植山(奥)が笠原からダウンを奪う(撮影・小林郁人)

植山が笠原友希を3R56秒、TKOで破る
 シュートボクシング(SB)の2年に一度の祭典「SHOOT BOXING S-cup 65kg 世界 TOURANAMENT 2018」(11月18日、東京・両国国技館)で行われたSB日本スーパーバンタム級王座決定トーナメント決勝戦で植山征紀が笠原友希を3R56秒、TKOで破り悲願のベルトを腰に巻いた。

 植山はかつて前王者の内藤大樹に2度挑戦。2016年の最初の挑戦時は先制のダウンを奪いながらも逆転負けを喫するなど、もう一歩ベルトに手が届かない状況が続いていた。

 その内藤がベルトを返上したことで「挑戦者決定トーナメント」から「王座決定トーナメント」に格上げされた今回のトーナメントで、植山は1回戦の佐藤執斗、準決勝の伏見和之と2連続KOで決勝に進出。

 対する笠原は17歳ながらこれまでプロ戦績10戦10勝で、今回はSBの史上最年少チャンピオンの記録がかかるというホープ。

 植山の「3度目の正直」か笠原の「史上最年少戴冠」か話題の大きなカードとなっていた。

悲願のベルトをついに腰に巻いた植山(撮影・小林郁人)

3Rに左フック一閃
 オープンスコアシステムで行われたこの試合、1、2Rとも互角の展開で、2R続けてジャッジ3者とも10-10が並ぶ。

 しかし3R、植山は笠原のヒザ蹴りにカウンターで左フック一閃。まともに食らった笠原はばったりダウン。このまま試合が終わってもおかしくない一撃だったが、笠原は立ち上がりファイティングポーズを取る。

 ならばとパンチの連打で植山が攻め込む。なんとかしのいだ笠原だったが、ここでレフェリーが割って入り試合を止めた。

 植山は試合後のマイクでこれまで支えてくれたファンや家族、友人、ジムの関係者らに感謝の言葉を伝えた上で「ここからが本当のスタート。シュートボクシングと格闘技界をもっと盛り上げていけるように頑張る」とアピールした。

西岡(左)のパンチが大月を襲う(撮影・小林郁人)

SB日本ライト級王者の西岡蓮太が大月晴明に判定勝ち
 SB日本ライト級王者の西岡蓮太が大月晴明を迎え撃った一戦は西岡が3-0の判定で勝利を収めた。

 19歳の西岡に対し、大月は44歳。実に25歳の年の差があったのだが、大月は年齢差を感じさせないアグレッシブな攻撃を見せる。

 大月は独特の構えから飛び込んで剛腕フックを放つと、西岡は下がってさばくとヒザを顔面に叩き込む。そこからパンチにつなげる西岡だが、大月もローで返すなど一歩も引かないファイトを展開する。

 2R、大月はパンチの連打を食らうものの、西岡が首投げを狙ったところで逆にバックドロップで切り返す。この鮮やかな「後方への投げ」でシュートポイント2を奪い、一気に大月がポイントで優位に立つ。

大月のバックドロップに会場が沸いた(撮影・小林郁人)

大月は鮮やかなバックドロップで王者を追い込む
 前に出ざるを得なくなった西岡に対し、巧みに組み付きその後もバックドロップを仕掛けた大月だったが、それはポイントにはならず。ラウンド終盤に西岡が右フックでダウンを奪い、五分の展開に引き戻す。

 3Rは西岡がパンチの連打からヒザを放てば、大月は体を寄せてボディーにフックの連打で対抗。しかし西岡は右ロー、そしてパンチの連打で大月をぐらつかせる。西岡の攻撃を浴びながらも大月は最後までパンチを振るって前に出たが、西岡は足を使ってかわすとこちらも最後まで攻撃の手を緩めることはなく打ち合った。

 判定はジャッジ2人が28-27、1人が28-26の3-0で西岡を支持。西岡にとってはキック界のレジェンドを破るという大きな勝利となった。

第6試合に登場した北斗拳太郎は宍戸に判定勝ち(撮影・小林郁人)
「SHOOT BOXING S-cup 65kg 世界 TOURANAMENT 2018」(11月18日、東京・両国国技館)
◆第12試合 S-cup65kg世界トーナメント決勝戦 エキスパートクラス特別ルール 3分3R無制限延長R ※ヒジあり
◯海人(1分22秒、TKO)UMA●

◆第11試合 SB日本スーパーバンタム級王座決定トーナメント決勝戦 55.0kg契約 エキスパートクラスルール 3分5R無制限延長R
◯植山征紀(龍生塾ファントム道場/同級1位)(3R56秒、TKO)笠原友希(シーザージム/同級2位)●

◆第10試合 63.0kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R無制限延長R
◯西岡蓮太(龍生塾/SB日本ライト級王者)(判定3-0=28-27、28-26、28-26)大月晴明(マスクマンズ/元WPKC世界ムエタイ・ライト級王者)●

◆第9試合 58.0kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R無制限延長R
●笠原弘希(シーザージム/SB日本フェザー級王者)(判定0-3=29-30、29-30、29-30)MOMOTARO(OGUNI-GYM/前WBCムエタイ・インターナショナル・フェザー級王者)◯

◆第8試合 S-cup65kg世界トーナメント準決勝 エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長1R ※ヒジあり
◯鈴木真治(判定2-0=29-29、29-28、29-28)UMA●

◆第7試合 S-cup65kg世界トーナメント準決勝 エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長1R ※ヒジあり
◯海人(3R42秒、TKO)健太●

◆第6試合 SB日本スーパーウェルター級(70.0kg契約) SBエキスパートクラス特別ルール 3分3R無制限延長R ※ヒジあり
◯北斗拳太郎(ボスジムジャパン/SB日本スーパーウェルター級王者)(判定3-0=30-29、30-28、30-28)宍戸大樹(シーザージム/元SB東洋太平洋ウェルター級王者)

◆第5試合 61.5kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R無制限延長R
◯村田聖明(シーザージム/前SB日本スーパーフェザー級王者)(判定3-0=29-28、30-29、30-29)前口太尊(PHOENIX/元J-NETWORKライト級王者)●

◆第4試合 S-cup65kg世界トーナメント一回戦 エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長1R ※ヒジあり
●ランボー・ペットポートオー(タイ/BBTVスーパーライト級王者、ルンピニースタジアムスーパーライト級6位)(判定0-3=28-29、28-29、27-29)UMA(日本/K&K BOXING CLUB/team REBELS/元REBELS 65kg級王者)◯

◆第3試合 S-cup65kg世界トーナメント一回戦 エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長1R ※ヒジあり
●アレクセイ・フェドシープ(キルギス/WBKF世界スーパーライト級王者)(1R1分26秒、TKO)鈴木真治(日本/フジマキックムエタイジム/team REBELS/元J-NETスーパーライト級王者)◯

◆第2試合 S-cup65kg世界トーナメント一回戦 エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長1R ※ヒジあり
◯健太(日本/E.S.G./WBCムエタイ日本統一ウェルター級王者)(判定3-0=30-29、29-29、29-28)トレント・ギルダム(オーストラリア)●

◆第1試合 S-cup65kg世界トーナメント一回戦 エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長1R ※ヒジあり
◯海人(日本代表/TEAM F.O.D/SB日本スーパーライト級王者)(1R2分16秒、KO)チョ・ギョンジェ(韓国代表/MAX-FC推薦選手)●

◆オープニングファイト2 フェザー級(57.5kg) エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長無制限R
●手塚翔太(GONG-GYM坂戸/SB日本フェザー級3位)(判定0-3=28-30、27-30、27-30)魁斗(立志會館/SB日本フェザー級5位)〇

◆オープニングファイト1 58.0kg契約 セミプロマッチルール 2分3R延長1R
〇山田虎矢太(シーザージム/全日本アマチュアSB -50kg級王者)(2R1分18秒、TKO)横田凛太郎(ストライキングジムAres)●