寺崎直樹が引退式で後進にメッセージ「あきらめずにずっと続けてほしい。チャンスはいつかやってくる」

2012年のWILDRUSH Leagueをともに戦った選手たちが駆けつけた(撮影・上岸卓史)

「残りの人生もここで培ったチャレンジする精神をもとに戦っていきたい
「Krush.95」(11月21日、東京・後楽園ホール)で元Krushスーパー・ライト級王者・寺崎直樹の引退セレモニーが行われた。

 宮田充K-1プロデューサーのコールで入場した寺崎にはスポンサー、2012年に行われた「WILDRUSH League」をともに戦った選手たち、家族から花束が贈られた。

 そして寺崎は「こうしてリングの上からみなさんの顔を見られるのが最後かと思うと寂しい気持ちはあるんですけど、リーグ戦で戦った仲間たちが今日集まってくれと言ったらみんな快くOKしてくれて、感謝の気持ちでいっぱいです。2012年、自分の中で印象深い試合がワイルドラッシュリーグで。それまで勤めていた会社を辞め、リーグ戦一本でチャンピオンになることを目標に頑張ったんですが、5試合やって一つも勝てず、どん底に落ちました。辞めようともなんども思ったんですが、スポンサーの、皆様とファンの皆様に支えられ、家族がずっとそばにいてくれたから、そんな時でも諦めず挑戦し続けた結果、このリングでチャンピオンになることができました。自分の中でチャンピオンになるのが夢だったんですが、その夢をこのリングで果たせたのは僕の宝です。僕は39歳。ここでリングを降りますが、まだまだ人生の折り返し地点だと思っています。残りの人生もここで培ったチャレンジする精神をもとにこれからも戦っていきたい。見守っていただければと思います」と挨拶した。

10カウントゴングを聞く寺崎(撮影・上岸卓史)

「選手は命を懸けている」とチケットのキャンセル問題にも言及
 そして若い選手や結果が残せていない選手に対して「自分も最後のほうは負けて、そんなにいい選手ではなかったんですが、負けたくない気持ちだけで戦って、その気持ちでチャンピオンになれたので、今日も勇気を振り絞ってこのリングで戦って負けてしまった人もあきらめずにずっと続けてほしいと心から思います。続けていればチャンスはいつかやってくる。それを忘れずに戦ってほしいと思います」とメッセージを送った。

 また最近、SNS上で取り置きチケットのキャンセルが問題となっているのだが、それについても言及。寺崎は「最近、ツイッターで、チケットのキャンセルが問題になっています。選手は皆さんに何かを感じてもらいたくて、命を懸けて一生懸命戦っているので、チケットのキャンセルなどは選手たちの気持ちになって、やめていただければいいなと、この場からお願いします」と訴えた。