4階級でタイトルマッチ開催。大阪大会で優勝の林が功也に挑戦【3・10 K’FESTA.2】

村越優汰(左)と卜部弘嵩

K-1での2つ目のベルトへ弘嵩が村越に挑戦
 K-1平成最後のビッグマッチとなる「K-1 WORLD GP 2019 JAPAN ~K’FESTA.2~」(2019年3月10日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ メインアリーナ)の第一弾カード発表会見が12月27日、東京都内で開催された。

 この日はフェザー級、ライト級、ウェルター級、クルーザー級のタイトルマッチ4試合と「日本vs世界7対7」と題して行われる3試合が発表された。

 フェザー級では王者・村越優汰に卜部弘嵩が挑戦する。村越は初防衛戦となる。

 村越は6月に行われた「第2代フェザー級王座決定トーナメント」で王座に就いたものの、戴冠後最初の試合となった11月大会でアレックス・リーバスに敗れるという失態を犯した。一方の弘嵩は3月のスーパー・フェザー級王座決定トーナメントで敗れた後にフェザー級に転向。転向初戦で芦澤竜誠にKO勝ちを収め、今回の挑戦を勝ち取った。

 弘嵩は「タイトルマッチはずっとアピールしていたので形になって気合が入りました。村越選手は6月の過酷なトーナメントで優勝していて、実績もある選手。強敵だと思います。僕も今まで以上に仕上げていきたい。特に蹴り技には気を付けたいです。僕も蹴りが得意なのでそういう対決ができればいい」

 村越は「チャンピオンになって1発目の試合で負けてしまって結構落ちていた部分もあったが、今回はベルトがかかった落とせない試合。1からやり直して3月にはバッチリ仕上げたい。弘嵩選手の試合は前から拝見していて、何でもできる選手だと思っている。自分は蹴りを得意としているので、そこは自分のいいところなので、蹴りでは特に上回りたい。こうやって大きい大会でタイトルマッチの防衛戦は光栄なこと。しっかりインパクトを残したい」とそれぞれ話した。

ついにタイトル挑戦を実現した林健太

林「ホンマに頑張る男は強いんやぞというところを功也君に見せたい」
 ライト級では王者・卜部功也に大阪で行われた「ライト級世界最強決定トーナメント」で優勝した林健太が挑戦する。功也は初防衛戦。

 K-1 GYM SAGAMI-ONO KRESTの同門対決になるのだが、林は今回から「FLY SKY GYM(FSG)」にも所属となる。林は「功也君は昔から先輩ですけど、僕はあまりKRESTに行っていないので、同門という感じがしないので、全力でベルトを取りに行きたい。功也君はパーフェクトなファイターだと思う。みんなに9割勝てないとか勝てるイメージがわかないとか言われるが、ファイターとしてだけでなく一人の男としてそう言われるのは悔しい。奥さんと子供がいて仕事しながら練習していると家族となかなか会う時間がない。子供が“パパ、ずっと家いないね”と言う。そんなことを言わせて負けては子供に会わす顔がない。この間もホンマに頑張って結果が出たんで、ホンマに頑張る男は強いんやぞというところを功也君に見せたい。12月のトーナメントでやったメンバーと功也君はレベルが違うと思う。いつも本気ですが、マジに本気で頑張るんで。僕の拳は怖いと思います」などと話した。

ライト級王者の卜部功也

功也は王者の貫禄を見せつけての勝利を誓う
 一方、功也は「トーナメントは僕も出る予定だったがケガで出られなくて悔しい気持ちで見ていた。3試合とも素晴らしい試合。挑戦者としてふさわしい。絶対負けられない。譲れないのでどっしり構えて横綱相撲をしたい」と林のトーナメント優勝を称えつつも、王者の貫禄を見せつけての勝利を誓った。

 また林の「同門という感じがしない」という発言に功也は「いや、同門です。後輩です(笑)。前のジムから一緒。健太のことを知って結構長い。健太の兄の将多も同世代。昔から知っていたので、気持ち複雑ですが、僕は過去に総本部の梶原龍児代表とも戦って、なんといっても兄とも2回戦っている。それ以上のことは無いかなと思うので、もう慣れた感じ。普通にできると思う」とそのへんは割り切っている様子。そして林について「気持ちが強くて覚悟を持っていて素晴らしいファイター」と評価しつつも「僕も3月でもう10年になる。ずっとトップ戦線を走って来た自負がる。プライドもあるので何が何でも勝ってやるという気持ちはある。現状に満足していない。もっと強くなりたいし、こんなところにいてはダメだと思っているので、もっと自分の理想に近づきたい」と話した。

 12月大会を欠場したケガについては「だいぶよくなりました。ふくらはぎの状態もだいぶ良くなった。スパーリングもしているし、蹴りも思い切り蹴れる。来月に海外に行ってスイッチ入れて追い込もうと思います」と100%ではないものの3月までには万全の仕上がりで臨めそうだ。

カリミアン(左)と加藤(右)

クルーザー級はカリミアンに加藤が挑戦
 クルーザー級では王者シナ・カリミアンに加藤久輝が挑戦する。

 カリミアンは9月の「初代王座決定トーナメント」に優勝し王座を獲得。今回が初防衛戦になる。

 加藤は6月にこの階級の日本のトップ選手である上原誠に勝利。11月にはRUIにKO勝ちし、挑戦にこぎつけた。

 加藤は「前回リングでアピールして良かった。これから毎回しようと思う(笑)。いつも通り激しい試合をしたいと思っている。カリミアン選手はクルーザー級のトーナメントを見て、ドラマチックな展開が好きそうな感じ。今回も面白い試合になると思います。1日3試合こなしたので気持ちが強い選手だと思う。相手のプレッシャーに負けず、前に進むのがキーだと思う」

 カリミアンは「この試合については特に何も思っていない。他の試合と同じように全力を尽くすだけ。私は他の試合と同様に全力を尽くしてベルトを守りたい。次の試合については特にコメントしないようにしたい。なぜなら私は加藤選手のようにおしゃべりではないのでリングの上の試合を見ていただきたい」などとそれぞれ話した。

別に「斎藤さんだぞ」ポーズをしているわけではない久保(左)と城戸

城戸がついに久保に挑戦
 ウェルター級では王者・久保優太に城戸康裕が念願の挑戦を果たす。

 このタイトル戦は11月大会で内定していたのだが、久保の交通事故で延期。その大会で木村“フィリップ”ミノルにKO勝ちを収めたジョーダン・ピケオーがリング上から久保にタイトル戦を要求。久保もついついリングに上がり色よい返事をしてしまったため、城戸がピケオーの会見に乱入し「順番は守りなさい」と日本人の常識を説くという思わぬ展開になっていた。

 ついに実現した挑戦に城戸は「久保君、次は事故らないでよ。安全運手でお願いしますよ」といきなりジャブをかますが久保は柳に風。この日は最近、SNSで話題の猿のマルちゃんを肩に置いて登場。「妻のサラちゃんが“せっかくだから連れて行きなさいよ”と言うので連れて来ちゃいました」とマルちゃんを連れて来たいきさつを説明するなどマイペースを貫いた。

 城戸が久保の自宅を訪問した時のエピソードで「預金通帳を見せてもらったら0の数が違った。株では勝てないと思った」と言うと、久保は「今週、日経平均が超暴落してヤバいなと思って…。さすがに減りましたね。一瞬、昨日まで…」と株の話が始まる場面も…。そして試合前に株が暴落したら試合に影響するかと問われると「毎回試合の時はポジションを減らしたりして、なるべくメンタルには影響しないようにはしている」と話したものの城戸が「じゃあ3月9日に大暴落してもらえばいいってこと?」と聞くと久保は「そうしたら俺、試合に来ない可能性がある」とまさかの欠場予告。これには城戸が「来いよ! そこは来いよ!」と念を押す始末だった。

この日は7つのカードが発表された
「K-1 WORLD GP 2019 JAPAN ~K'FESTA.2~」(2019年3月10日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ メインアリーナ)第一弾発表カード

◆K-1 WORLD GPフェザー級タイトルマッチ/3分3R・延長1R
(王者/日本/湘南格闘クラブ)村越優汰 VS 卜部弘嵩(挑戦者/日本/K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)

◆K-1 WORLD GPライト級タイトルマッチ/3分3R・延長1R
(王者/日本/K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)卜部功也 VS 林健太(挑戦者/日本/K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/FSG)

◆K-1 WORLD GPウェルター級タイトルマッチ/3分3R・延長1R
(王者/日本/K-1ジム五反田チームキングス)久保優太 VS 城戸康裕(挑戦者/日本/谷山ジム)

◆K-1 WORLD GPクルーザー級タイトルマッチ/3分3R・延長1R
(王者/イラン/WSRフェアテックス・イラン)シナ・カリミアン VS 加藤久輝(挑戦者/日本/ALIVE)

◆日本vs世界・7対7/-59kg契約/3分3R・延長1R
(日本/K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)武尊 VS ヨーキッサダー・ユッタチョンブリー(タイ/ユッタチョンブリージム)

◆日本vs世界・7対7/K-1スーパー・バンタム級/3分3R・延長1R
(日本/POWER OF DREAM)武居由樹 VS アレックス・リーバス(スペイン/Team Jesus Cabello)

◆日本vs世界・7対7/K-1ウェルター級/3分3R・延長1R
(日本/K-1 GYM EBISU FREE HAWK)野杁正明 VS ジョーダン・ピケオー(オランダ/Mike's Gym)