フリースタイルスキー エアリアル 『表裏一体』【アフロスポーツ プロの瞬撮】

 スポーツ専門フォトグラファーチーム『アフロスポーツ』のプロカメラマンが撮影した一瞬の世界を、本人が解説、紹介するコラム「アフロスポーツの『フォトインパクト』」。他では見られないスポーツの一面をお届けします。
撮影/文章:西村尚己(2019年3月3日 第29回ユニバーシアード冬季競技大会)
発射されたロケットのごとくスキーヤーが雪煙を巻き上げながら夜空に勢いよく飛び出し、自由自在に舞う。
まるで銀河をバックに宇宙遊泳する宇宙飛行士のようだ。

スキーのフリースタイル競技の一つ、エアリアル。
スキーヤーが急斜面を使って助走し、天に向かって反り返ったジャンプ台から飛び出し、
アクロバティックな空中演技を競い合う。

トップクラスになるとジャンプの高さは十数メートルにも達するという。
着地に失敗すると選手生命を失いかねない極めて危険な競技だ。
観客が叫んでいた“crazy”というフレーズがそれを象徴している。

美しさと危険は表裏一体だ。
美しい光景の裏側にあるスキーヤーたちの勇気と覚悟に畏敬の念を覚えた。


【カメラマンプロフィル】
撮影:西村尚己
1969年、兵庫県生まれ。大阪大学大学院工学研究科修了。
人間味あふれるアスリートの姿に魅せられ、学生時代にスポーツ写真の世界と出会う。
大学卒業後は、国土交通省に勤務しながらアマチュアカメラマンとして活動するも、どうしてもプロの世界で挑戦したいという想いが募り、2016年にアフロスポーツに転職。
現在は国内外のスポーツを精力的に撮影し、人間の情熱や鼓動、匂いなど五感で感じとれる作品づくりに励む。
2007年 APAアワード写真作品部門 奨励賞
2013年、2015年 写真新世紀 佳作 ほか
アフロスポーツ

1997年、現代表フォトグラファーである青木紘二のもと「クリエイティブなフォトグラファーチーム」をコンセプトに結成。1998年長野オリンピックでは大会組織委員会のオフィシャルフォトチーム、以降もJOC公式記録の撮影を担当。
各ジャンルに特化した個性的なスポーツフォトグラファーが在籍し、国内外、数々の競技を撮影。放送局や出版社・WEBなど多くの報道媒体にクオリティの高い写真を提供し、スポーツ報道、写真文化の発展に貢献している。

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