井上小百合「100%朗読劇にむかない作品で悩んだ」進化形朗読劇『銀ちゃんが逝く』

 演出家つかこうへいの命日である7月10日から3日間、新宿・紀伊國屋ホールにて没後10年追悼イベント・朗読蒲田行進曲『銀ちゃんが逝く』が行われる。

 初日となったこの日は公開舞台稽古と舞台挨拶が行われ、主演の味方良介と今年4月に乃木坂46を卒業した井上小百合と植田圭輔、演出の岡村俊一が登壇した。
写真左より植田圭輔、味方良介、井上小百合
 企画当初は1カ月の公演を予定したいた本作。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、公演日程の縮小やソーシャルディスタンスをたもった客席などの対策を講じての公演となった。

 井上は「演劇はある人によっては必要ないものかもしれませんが、このコロナ禍で誰かと泣いたり、笑ったりする時間は生きる上で大事なことだなと思いました。いろんなリスクを背負って舞台を見に来てくれるお客さんに、届けられるものがあると信じています。楽しんでいきたいと思います」と思いを語った。
井上小百合

見に来てよかったと思える作品になった


 初めての、つかこうへい作品に触れてみての感想をきかれて井上は「私はつかこうへいさんにお会いしたことはないですけれど、きっとつかさんの出会った人の思いが描かれていると思うので、天国で“おいおい”って言われないように頑張りました。朗読に合う作品とそうでないものとあると思うのだけれど、これは100%朗読劇にむかないなって最初は思いました。それでも稽古場でみなさんに助けられて、ソーシャルディスタンスを保ちながら、この距離感でどうやってお芝居を作っていくかすごく悩みました。距離を詰めて演技したいところをそれが出来ないので、感情で持っていかなくてはいけない。おかげで感情の引き出しがたくさん増えました」と胸を張った。

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