乃木坂46の久保史緒里「黒髪の乙女がそこにいたな、というような時間に」舞台『夜は短し歩けよ乙女』開幕

 

「黒髪の乙女」を演じる久保は、「グループのメンバーのいない環境での舞台は初めてなので、私にとっても冒険というところからのスタートでした。黒髪の乙女は好奇心旺盛で天真爛漫で、起きること起きることすべてにプラスの感情で向き合っていきます。その役の力をお借りして、この期間、前向きでいられた」と話し、「(劇場に)来てくださる方にとって楽しいと思ってもらえるような、原作をお読みになられた方にも、ああ黒髪の乙女がそこにいたなというような時間にできたら」と意気込んだ。

 ただ、稽古中は受け身になってしまったそう。「個性が強い方々がたくさんいらっしゃったので、乙女が消えかけてしまうというか、乙女が歩くことによって物語が展開していくという軸が作れなくて、稽古中は悩んでいたんですけど、音楽の力は大きかったなと思っています。音楽になったとたんに肩の荷が降りるじゃないですけど、音にのせて(物語を)進めることができる瞬間が楽しいなって感じました」。ただ「……今だに必死で不安」だそう。すると横から後ろから「すごい素敵だから!」「最高だから!」のエール。「救われています……おじさまがたが……」と言葉がこぼれ、「おじさま?」「おじさま?」と尾上寛之らが素早く反応。久保は「お兄さま方が!」と大慌てだった。

 

 自身の見どころについて聞かれた中村は「3時間弱の長編。そのなかで、春夏秋冬と、先輩がどう変わっていくかを見てほしい」。久保は「音楽というのもあるんですけど、今回衣装の数が多くて、春夏秋冬で乙女の服も違う。衣装のこだわりを持っていて、一瞬しか出ないものもあるんですけど、大変素敵なものばかり。楽しんでいただける部分なのではと思います」と笑顔を振りました。

 中村と久保以外は、複数の役を演じているそうで、鈴木砂羽は「(メインとなっている)この役以外のこともやっているので、鈴木砂羽はどこにいるのか探してほしい。分かりづらいところにさりげなくいるので」

 竹中直人は「(先輩と乙女の)2人を見ていれば十分」と笑った。

 尾上は「笑顔になったりキュンキュンしたり、涙が出そうになる瞬間が結構ある。心に栄養をもらっているというか、いつも元気をもらっています。僕らは舞台に立ってお芝居ができること届けられることが心の栄養になっていますし、見に来てくださるかたも心の栄養をもらいに来ることは不要不急じゃないと思うので、ぜひ来ていただきたい。パワーをお伝えできればと思う」と話していた。

 脚本・演出を担当する、ヨーロッパ企画の上田誠は「総勢21人のキャストとスタッフ陣で、できる限り、原作の豊饒さをそのままに劇にしました。個性あふれるキャラクターたち、音楽、ダンスやラップや歌もあります。シーンの数も信じられない数あります。キャストのみなさんはそれぞれのフィールドから持ち寄った知恵と経験とそれぞれの力を結集させました。多幸感に包まれると思います」とアピール。

 中村は「一度見ただけでは分からない。二度三度と見て楽しんでいただきたい、この世界を楽しんでいただきたいという思いでいます」と語り、締めくくった。

 会見には、玉置玲央、白石隼也も出席した。

 6日に開幕、22日まで同所で。大阪公演もある。