海宝直人「未来に思いをつないでいかなければ」長崎の被爆体験者の証言まとめたドキュメンタリー映画で主題歌

 

 映画『a hope of NAGASAKI 優しい人たち』の公開記念舞台挨拶が9日、都内であり、主題歌を歌う海宝直人、音楽を担当した小野華那子、松本和巳監督が登壇した。

 長崎で被爆を体験した10名の新たな証言をまとめたオーラル・ヒストリー・ドキュメンタリー映画。親を亡くした人、友人を亡くした人、差別や偏見、いじめで苦しむ、貧困や孤独など、10人それぞれが乗り越えて来たことを語る。

 海宝は「映画を見させていただいて、被爆体験のお話がすごく胸に響いたんですが、繰り返している歴史のひとつだとも感じました。国であったり、人種であったり、世界が分断していく流れになっているなかで、(映画の中で)みなさんがおっしゃっていた『話せばわかる』ということであったり、アメリカ兵と個人個人でやりとりをしてみたら分かり合える経験があったとか、音楽を通して分かり合えたとか、それは現代を生きる我々にとって大事な感覚だなと。そのメッセージを大事にして生きていかなければいけないなと思いました」

松本知己監督

 作曲のために撮影に同行したという小野も「インタビューを受けてくださった皆様が温かい人ばかりで、過去の辛い経験や悲しいことを自分に嘘をつかずに真摯に語ってくれた結果出てきたものが、戦争はダメだけど人は悪くない、アメリカの兵隊さんはいい人だったといようなことで、愛情を持って生きている人たちだと感じられました。私の人生のテーマになるような経験をさせていただきました」と、静かに語った。

 松本監督によれば、この映画は長崎の方々に何か形にして残せないかと動いていたプロジェクトで、当初は映画にする予定はなかったそう。ただまとめていくなかで、さまざまな提案や後押し、協力があり、映画館での公開が実現したという。松本監督は「感謝しつつ、被爆者のみなさんの思い、長崎の皆様の思いをどうやって先につなげていくのかを真剣に考えていかなければいけない。(映画を見た)みなさんが感じたことを語ってもらったりして、つないでいってもらえるとすごくうれしい」と、話した。

 

1 2 3 4>>>