兄弟校対決制し智弁和歌山が夏の甲子園で21年ぶりV

8月29日、決勝のスコアボード(写真:岡沢克郎/アフロ)

「第103回全国高校野球選手権大会」は8月29日、兵庫県西宮市の甲子園球場で決勝が行われ、智弁和歌山が智弁学園(奈良)を9-2で下し、21年ぶり3度目の優勝を果たした。

 2002年夏の3回戦に続き、甲子園大会で2度目となる兄弟校との対決を制した。

 智弁和歌山は1回に4番徳丸天晴の犠飛で先制すると、一気に4点を先行した。2回に2点を返されたが、6回に主将・宮坂厚希が適時打、7回には高嶋奨哉が適時二塁打を放つなど、試合終盤にも小刻みに加点。伊藤大稀と中西聖輝の継投でリードを守り切った。

 高校野球は昨年、新型コロナウイルス禍のため春の選抜大会と第102回大会が中止となり、夏の甲子園大会は2年ぶりの開催。一般客への入場券は販売せず、さまざまな感染対策を講じたが、大会中の17日に宮崎商と東北学院(宮城)が参加を辞退し、史上初めて不戦敗校が生まれた大会となった。

 日本高野連は感染者が出た場合の出場可否について、集団感染が疑われるか否かを重視し「個別感染の場合は選手の入れ替えで対応する」としたが、選手1人の感染だった東北学院が「選手の特定につながる恐れがある」として辞退するなど混乱が生じた。また一般の観客の入場を中止する一方、学校関係者に限って入場を認める措置を取ったが、感染拡大にともない、大会期間中にブラスバンドなどの入場を禁止するなど方針転換した。