「チョコレートをどんな基準で選ぶ?」カカオ農家を例に、浜松市の生徒たちがSDGs学習

 

チョコレートをどんな基準で選ぶ?

 授業には、1年生の4クラスと発達学級の生徒たち、113名が参加。講師にデロイト デジタルのコラボレーターである若林理紗氏を迎え、「未来のためにわたしたちができること」をテーマに学習した。

「みなさんはどんな基準でチョコレートを選びますか?」との若林氏の質問で、授業はスタート。生徒たちが味や価格、カカオ濃度などを挙げるなか、「今日は、“誰が作っているのか”を考えてみませんか」と若林氏。チョコレートの原料・カカオの生産者に思いを馳せることを提案し、彼らの生活を知ることで、生まれた場所に左右されることなく、誰もが未来を選べる公正な世界を目指そうと呼びかけた。

 カカオ農家の生活を知るため、日本が輸入するカカオの約8割を占める原産地、ガーナ共和国を例に「児童労働」の現状を紹介。家族経営の小規模カカオ農園では、主に人手が足りなくなる収穫期に、生徒たちと同世代の子どもたちが収穫作業の手伝いをしている現状を伝えた。

 こうした児童労働の割合は、世界の子どもの10人に1人、アフリカの5人に1人にも上るという。若林氏は、児童労働により子どもたちが学びの機会を奪われていることや、重労働やけがの危険に晒されていることを伝えた。