フィギュアスケート 村元哉中 & 高橋大輔ペア『全身全霊』【アフロスポーツ プロの瞬撮】

 スポーツ専門フォトグラファーチーム『アフロスポーツ』のプロカメラマンが撮影した一瞬の世界を、本人が解説、紹介するコラム「アフロスポーツの『フォトインパクト』」。他では見られないスポーツの一面をお届けします。

 

撮影/文章:西村尚己(2021年・2022年全日本選手権、2023年世界選手権、2023年世界国別対抗戦)
5月1日、3シーズンにわたる競技生活からの引退を発表した
フィギュアスケート・アイスダンスの“かなだい”こと村元哉中 & 高橋大輔ペア。
“もしかしたら?”
そう覚悟して撮影に臨んだ今シーズンであったが、いざ現実のことになるとやはり寂しい。
欲を言えば“もう1シーズン”撮りたかった。
 
ファインダーを通して私が見たもの。
それは、苦悩しながら必死で挑戦する“かなだい”の姿だった。
思い出すのは、公式練習や競技中に見た緊張した表情や一生懸命な姿。
そして演技を終えた後の清々しい表情。
ともにベテラン選手でありながら、どこか初々しさが感じられた。
 
ラストとなった今シーズンは、全日本選手権で悲願の初優勝を果たした。
その全日本選手権のキス&クライに出場選手たち直筆の言葉が掲示されていたことを
ふと思い出した。
“かなだい”が書いていた言葉は“全身全霊”。
 
たくさんの感動をありがとう。
 
 
■カメラマンプロフィール
 
撮影:西村尚己
 
1969年、兵庫県生まれ。大阪大学大学院工学研究科修了。
人間味あふれるアスリートの姿に魅せられ、学生時代にスポーツ写真の世界と出会う。
大学卒業後は、国土交通省に勤務しながらアマチュアカメラマンとして活動するも
どうしてもプロの世界で挑戦したいという想いが募り、2016年にアフロスポーツに転職。
現在は国内外のスポーツを精力的に撮影し、人間の情熱や鼓動、匂いなど五感で感じとれる作品づくりに励む。
 
2007年 APAアワード写真作品部門 奨励賞
2013年、2015年 写真新世紀 佳作 ほか
 
★インスタグラム★
アフロスポーツ

1997年、現代表フォトグラファーである青木紘二のもと「クリエイティブなフォトグラファーチーム」をコンセプトに結成。1998年長野オリンピックでは大会組織委員会のオフィシャルフォトチーム、以降もJOC公式記録の撮影を担当。
各ジャンルに特化した個性的なスポーツフォトグラファーが在籍し、国内外、数々の競技を撮影。放送局や出版社・WEBなど多くの報道媒体にクオリティの高い写真を提供し、スポーツ報道、写真文化の発展に貢献している。

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