平常時はテニスコートや運動公園!? 台風や集中豪雨の際は水を取り込み河川の水位を調整する「白子川調節池群」【関東大震災から100年】

比丘尼橋下流調節池(撮影・蔦野裕)

 東京都ではこれまで神田川流域、石神井川流域および白子川流域での集中豪雨に備えて、白子川地下調節池(約21万立方メートル)と神田川・環状七号線地下調節池(約54万立方メートル)を整備。この2つを連結する「環状七号線地下広域調節池」の整備に着手し、2025年度完了を目指している。この3つが連結すると総延長13.1kmにおよび、合計140万立方メートルを超える貯水量を確保することができる。

 中でも白子川は中流部に比丘尼橋上流調節池、比丘尼橋下流調節池、白子川地下調節池の3つの調節池を設置。3つあることから「白子川調節池群」と呼ばれている。堀込式、地下式、トンネル式と3種類の調節地があるのは珍しい。

 白子川は一部が埼玉県を流れる延長約10kmの河川。流域はもともとは田畑が多かったのだが、高度成長期に都市化が進み多くの浸水被害が起こった。特に昭和57年の台風18号の時に川から水があふれ大きな被害に遭った。その後、河川の整備などが進み被害は減少。1時間に75mmの雨に対応すべく施設の整備を進め、川幅を広げる、川底を掘り下げるという川を大きくする整備と調整池の整備を進めた。