巌流島事務局が昨年12月の木村ミノルvs矢地祐介戦を無効試合に。日本格闘技界の現状を解説したうえで改善点も指摘

「INOKI BOM-BA-YE×巌流島」で矢地と対戦した木村(昨年12月28日)(撮影・三田春樹)

 巌流島やFEG時代のK-1やPRIDEが行っていた国内で実施しているドーピング検査だと、マリファナやコカインなどの違法薬物、風邪薬や胃腸薬などの市販薬に含まれている成分などは確実に検出されるものの、筋肉増強剤やいわゆる興奮剤は出るものと出ないものがあるという。これまで公表はしていないが、この検査でも陽性となる選手は複数いたとも明かしている。

 そのうえで「今回のドーピング問題が難しいのは、日本には米国アスレッチ・コミッションのような第三者機関がなく、禁止薬物の基準がハッキリしていないことです。また、ドーピング検査がRIZINが実施しているものほど精度が高くなかったり、また、ドーピング検査を実施できていない団体が多いという現状もあります」「ドーピング検査で最も精度が高く、信頼性が高いのは、IOC国際オリンピック委員会に属するスポーツ競技ですが、同程度の検査をするには、莫大な費用がかかるという問題もあります。RIZINが実施している検査でも、1件につき最低1000ドル以上かかると聞きました。この費用の問題が格闘技団体の負担としてのしかかっていますが、今後はさらに厳格なドーピング検査が求められる時代になっていくのは間違いありません。これは日本の格闘技団体の今後の課題と、しかと受け止めていかなければならないと考えています。日本にも米国アスレチック・コミッションのような第三者機関を設置し、明確なドーピングに対する統一規定と、統一レベルのドーピング検査、統一の罰則規定を設けることが理想ですが、それに向けてできるだけ他団体とも協議していく必要があるかと思います」などと日本格闘技界の現状を解説したうえで、改善点なども指摘した。

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