GW台湾特集!美食天国、台北で見つけたローカルグルメ・雑貨・屋台フード【食と雑貨編】

大稲埕慈聖宮美食街「阿雲家常菜」の火鍋は見た目のインパクトが強烈(筆者提供)

 台湾滞在の最終日には、台湾人の友人2人に連れられて、日本人観光客にも人気の迪化街の近くにある、ストリート・フードのメッカ、大稲埕慈聖宮美食街を訪れた。昼前だったが、すでに閉まっている屋台がいくつもある。どうやら朝食時にしかオープンしていない様子だった。築地を一瞬思い出した。友人に何が食べたいか聞かれ、目についた魚頭の火鍋が気になったので、これはなんだと聞いたら、台湾、特に台南で人気のメニューだという。じゃあこの屋台(阿雲家常菜)にしようということになり、注文をし、すぐ裏にある寺院の入り口の前のテーブルを確保。線香や花の匂いが漂ってくる、かつてない環境でのランチとなった。

 最初に豚バラ肉の胡椒炒めが運ばれてきたが、味噌味が効いた濃厚な味で美味しい。イカとニンニクの芽の炒め物も、新鮮なイカの食感が良くさっぱりしていて絶品。エビとサヤエンドウの炒め物は目新しさはなかったが、もちろん美味しかった。そして肝心の火鍋である。まず見た目のインパクトが強烈だが、表面に浮かぶ大量の揚げた卵とガーリックに隠れて、魚の頭のフライとライスヌードルがほとんど見えない。鍋の底には大量のライスヌードルが沈んでいた。あとは台湾名物のタロイモがゴロゴロしている。正直、魚の頭は思ったほど入っていなかったが、胡椒がたっぷり効いたスープはクセになる味だった。台北の気温30度の野外で食べる熱々の鍋、また体験してみたいものだ。

台北の人気レストラン「詹記麻辣火鍋 敦南店」の麻辣火鍋(筆者提供)

 最後にもう一つ、金曜のディナーに別の台湾人の友人に麻辣火鍋に連れていってもらった。台湾で麻辣火鍋を食べないのはイタリアでピザを食べないのと同じようなものだ(多分)。お店は「詹記麻辣火鍋 敦南店」。台北で人気のレストランで、予約が必須だという。台湾と中国の火鍋の違いはなんなのだと友人に聞くと「タレだ」と即答された。どうやら、沙茶醤という調味料を使用したタレのようだった。これがなかなか辛かった。みんなこのタレに、小ネギにしか見えない蒜苗(サンミャオ)という刻まれたニンニクの葉を大量にぶち込んでいた。味は全然ネギではなかった。このタレはしかし、塩味が効きつつスパイシーでとても美味しかった。

 食材は肉も野菜もシーフードも文句なしだったが、僕以外の3人が大量にオーダーをし次から次へと運ばれてくるので、あまりにも食べ過ぎた。しかも土壇場で2時間制ということが分かり、最後は大急ぎで平らげることに。締めに小ぶりな球状のパッションフルーツ味のアイスクリームをもらった。その前に、ボトルに可愛い犬の写真が貼られた「白菊狗汁」という梅のドリンクを友人が頼んだので飲んでみた。なぜ犬なのだ? まさか中に犬のなにかが入っているのか? と友人に聞いたら、ボトルにちゃんと「製品には犬の成分は含まれていません」と書かれていた。果汁と狗汁(犬のおしっこ)の発音が似ているため、こういう商品名になったそうな。いろいろと勉強になった夜だった。

(取材・文:小林真里)