LDHの型破りなガールズユニット f5ve、個性がさく裂するアルバムで存在感「トンチキソングって言われたことも(笑)」
「宝物のようなアルバムだし、自信作」
ーーみなさん、f5veで楽しくてハッピーで刺激的な日々を送っているのが伝わってきます。そんななかでファーストアルバム『SEQIENCE 01』が制作されたんですね。
MIYUU:約1年半くらいかけてゆっくりゆっくり曲を作ってアルバムに仕上げました。日本はどちらかというとアルバムに向けて曲を作っていくと思うんですけど、アメリカなのか世界のやり方なのかな、感覚が少し違っていて。いいものができてから出そうみたいな感じなんです。そういった今までとは違う状況で作るのは新鮮で面白かったです。
RURI:J-POPなものもあれば、ロックもあって、ラップっぽいのもあるし、楽曲もジャンルが全然違くて…! いろんなf5veを感じていただけます。誰がどこを歌うのかって自分たちで振り分けた楽曲もあるし、メンバーみんな思い入れのある作品になりましたね。
RUI:日本だけじゃなくてアメリカでも曲を作っていて、1曲1曲が濃い思い出になってます。そういう曲たちが集まった宝物のようなアルバムだし、自信作になりました。
SAYAKA:私たちってSNS を通して活動しているようなところがあって、なんかこう……本当にいるのかな?っていう感じの活動ばっかりしてきたので(笑)、こうやってアルバムとして、CDとしてパッケージとして形に残せて本当に良かった!
MIYUU:よく言う名刺代わりじゃないんですけど、私たちってこういうものですっていう示すものがようやくできたのはすごくうれしいです。やっぱりアルバムってアーティストとしては1つの目標とするポイント。アルバムを出してるアーティストって、私には……強く、よりカッコよく見えます。
ーーf5veもその仲間入りですね。KAEDEさんはこのアルバムのリリースを発表されたときに「レコーディングを終えてから毎日聴いている」ってコメントを出されていました。
KAEDE:そうなんです! 自分たちの曲が好きすぎて! 私がずっと聴いている曲たちがファンの皆さんの元に届くのは本当にうれしいです。みんなも言うように自信作なので!
SAYAKA:楽曲をリリースをするたびにアルバムはいつだっていうコメントもたくさんあったしね。
ーーところでf5veの制作はどうやって行っているですか? チームはアメリカで、みなさんは日本にいることが多いですよね?
KAEDE:行ったり来たりです。海外のチームが日本に来てくれて日本で制作したりすることもあるし、私たちが行くこともあります。2週間ぐらいスタジオに入るんですけど、そこでみんなでいろんな話をして、そこから音楽が生まれる……みたいな感じです。用意されてる音源とかデモだけじゃなく、自分たちが好きなジャンル、音楽、影響受けたアーティスト、好きなアニメの話から楽曲ができたりします。

5人の個性や好きなことを反映したアルバムは「バラバラ(笑)」
ーー楽曲やミュージックビデオの近未来的でちょっと無機質な感覚などから、もっとデジタルなというかデータをやり取りして制作しているイメージを勝手に想像していました。対面して、コミュニケーションを取りながら制作されているんですね、すごく有機的。
MIYUU:アルバムを作ることになってから、その感じがより強くなったんです。BloodPop®の楽曲の作り方っていうのもありますし。私たちの生い立ちだったりパーソナルなところをより知った上で、心地よく歌ってほしい、パフォーマンスしてほしいって楽曲を制作してくれるんです。そうやって作っていったので、メンバーそれぞれの好みだったり、それぞれの気持ちが反映されて、収録曲のジャンルは見事にバラバラになりました(笑)。
ーージャンルという意味ではそう言えるかもしれない。
KAEDE:みんな好きな曲もバラバラなんですよ。だから、収録した楽曲のなかのお気に入りの楽曲も全員違っています。
ーーお一人ずつ聞いていいですか? 好きな曲とその理由を。
KAEDE:私は「UFO」。ガチャガチャとかUFOキャッチャーとかからインスピレーション受けた楽曲だから機械音な楽曲ですが、その機械音とサビコーラスのRUIちゃんがしっかり歌い上げるメロディーのアンバランスさが好きなんです。ポップな曲なのにそこがすごく切なく聞こえてきて……聴き終わった後もう 1 回聴きたいみたいな感じで何度も何度も繰り返し聞いてしまいます。
RURI:私は、ロックな「リア女(Real Girl)」。個人的にロックな楽曲が好きだったりするので、そういう意味でも「リア女」推しなんです。f5veとしても新しいジャンルですけど、自分たちで探りつつ自分たちで歌う部分を振り分けた楽曲でもあるので、すごく思い入れもあります。
ーーこの曲はバラバラだというアルバムのなかでも他の曲と少し毛色が違うかなと思いました。歌い分けの部分だけじゃなく、制作の仕方が違ったり? タイトルも邦題がついてるみたいな感じでもあるし。
RURI:どうでしょう。YOASOBIさんが好きだって言って、BloodPop®が試行錯誤してくれたんですよね
KAEDE:秋葉原に遊びに行ったときにインスピレーションを受けたんじゃないかなあ……確かアニソンっぽい曲を作ろうよって、できたのが「リア女」だったと思います。
Kesha参加のリード曲はハブ酒を連想させる曲
ーーアニソン……なるほど! SAYAKAさんの推し曲は?
SAYAKA:「Sugar Free Venom feat. Kesha」です。フィーチャリングでKesha(ケシャ)さんに入っていただいて、みんなでラップに挑戦しています。楽曲はロートーンですごくカッコよくて、Keshaさんが入ってくれたことで、より濃厚によりカッコいい楽曲に仕上がっています。
ーーこの曲はアルバムのリード曲。Keshaさん(米アーティスト、シンガー、代表作に『アニマル』『カニバル』など)を迎えることになったのはどうして?
SAYAKA:それは…BloodPop®が「もうレコーディングしたよ」って(笑)。レコーディングスタジオにKeshaさんがいて……なんか事故的な?(笑)
KAEDE:もともとこの曲で他のアーティストさんを入れたいねみたいな話はしていたんですよね。その時に、いろんな方のお名前が上がってたんですけど、どうなるんだろう、誰になるんだろうって思ってたところで、「Keshaとレコーディングしてきたよ」の連絡でした。みんなで、KeshaってあのKesha?みたいな感じで(笑)。
ーー私も同じリアクションでした(笑)。
KAEDE:BloodPop®はこの楽曲にぴったりな方を選んでくれたと思います。Keshaさんもまた活動をスタートさせるそうなので、すごくタイミングがいいコラボになりました。
ーー楽曲そのものは、触れるな危険!みたいな雰囲気の楽曲ですね。
SAYAKA:高嶺の花の女性を演じている感じでカッコいいです。沖縄のハブ酒を連想させるような楽曲でもあります。この曲、聴けば聴くほど中毒性がありますし、私はすごく踊りたくなります!ミュージックビデオもぜひ見ていただきたいです。
KAEDE:2010年代のクラブを連想させるような雰囲気のイメージで、その世代の方々はまだ懐かしいねみたいな感じにもなるし、若い子が見ると新しい感じになってると思います。
ーーでは、RUIさん?
RUI:「Magic Clock」です。f5veの中で1 番ポップな楽曲で、この曲をレコーディングした時はf5veってこんなにポップでキャッチーな曲も表現するんだって新鮮さと驚きもありながらでした。コーラスの具合が心地いいんですよ! タイトルは魔法の時計という意味もあるので、メンバーみんなとの楽しかった思い出だったり、どんな未来があるかなっていうワクワクだったり、なんかタイムスリップするみたいな感じがします。歩くスピードが上がる、ハッピーな気持ちになる曲です。
MIYUU:私は「Jump」ですね。
ーーこの曲は、f5veの決意表明の楽曲でもありますよね。
MIYUU:はい!全部日本語の歌詞なこともあって歌詞がすっと入ってきて、その思いが強くなります。この楽曲も歌詞の振り分けはメンバーでやったので思い入れがあります。楽曲のメロディーと世界観が個人的にすごくフィットして心地よく歌えました。
ーー個人的には曲のメッセージも含めて、f5veもLDHのアーティストであることを思い出させられるというか、LDH感のある楽曲でした。
MIYUU:(笑)。ライブ映えしそうな……。背中を押してくれるような歌詞が、いい意味で、f5veらしくないんですよね。ワンダーランドっていうかドリーミーというか、非現実的にも思えるメロディーと歌詞のアンバランスさも面白いポイントだなって思います。