龍聖「今までは自己満で近くの人を傷つけて来た。今回は初めて自己満でいろいろな人を笑顔にすることができる試合。絶対に勝つ」
格闘家は普段何を考え、何をしているのか…。記者会見や試合だけでは分からない格闘家の内面に切り込むインタビュー企画「格闘家プロファイリング」。ここまで「教訓とする言葉or生きる上でのモットー」「近い将来と遠い未来」といった4つのテーマでKNOCK OUTファイターの龍聖(BRAID)に話を聞いた。最終回のテーマは「次戦について」。(全5回/最終回)
※取材協力「BRAID」(HP: https://braid-gym.com/ )

龍聖の次戦は「THE KNOCK OUT」(6月22日、東京・国立代々木競技場 第二体育館)での久井大夢戦。久井の持つKNOCK OUT-BLACK スーパーフェザー級王座に挑戦する。2人は昨年6月に同じ国立代々木競技場 第二体育館で行われた「KNOCK OUT CARNIVAL 2024 SUPER BOUT“BLAZE”」で同王座の王座決定戦で対戦し、龍聖は1Rに2つのダウンを奪われ判定負けを喫している。龍聖はこれがプロ初黒星だった。
「久井戦については、いろいろたくさん思うことがあります。去年の久井戦は自分にとって転機になった試合でした。なぜかというと、倒されてからの記憶が曖昧で“負けたのかな?”みたいな感じで試合が終わって。で、その後に負けたことがちゃんと分かるじゃないですか。“俺って負けたんだ”って。ちょっと時間が経って、初めて負けたこともあるし、好かれるキャラでもなかったので、本当にたくさん誹謗中傷されるんだろうなって思っていたんです。携帯の通知もすごかったし、特にXとかもぶあーっとなっていて、それを見るのが嫌だったんですけど、開いたら意外とというかほとんどそういうものがなくて、なぜか“ありがとう”とか“すごい格好良かった”とか“本当にいい試合だった、感動した”みたいな言葉であふれていて。そういう言葉で格闘技ファンの人に勇気をもらったし、また頑張ろうって思ったんですね。
今、SNSって悪目立ちが多いじゃないですか。だけど、僕は逆にそうじゃない形でSNSに救われた。SNSって悪いことばっかり取り上げられがちだし、 実際悪いことばっかり取り上げたものがもちろん多いと思うんですけど、僕は運よくその逆でSNSの良い面にすごく救われたんですよ。今回の試合というのは正直言うと実際に大きい舞台でいろいろな試合をして輝いて、また目立っているのは僕だし、久井に負けたことを知らない人のほうが多いと思うんです。僕の“ここでやりたい。やらせてくれ”という自己満足で組まれた試合。そういう自己満から始まっているものなんだけど、僕って今まで自己中心的で王様気質で“俺についてこい”じゃないけど、自分の自己満ゆえに特に近くにいる恋人とか友人、仲間、いろんな人をたくさん傷つけて来たんです。でも今回は僕がここで勝つことによって、あの時、僕を励ましてくれた人たち、たくさんのコメントや連絡、DMをくれた人たち一人一人がきっと笑顔になると思う。初めて自分の自己満でいろいろな人を笑顔にすることができる、そんな一戦だと思っています」