空前の編み物ブーム!話題の手編みハンカチ「ニッタオル」を不器用記者が編んでみた

 今年に入ってから若者の間で編み物が大流行している。きっかけは韓国のアイドルグループのメンバーだといい、冬のイメージがある編み物だが、今や暑くなっても毛糸の売れ行きは衰えないとか。そんなある日、手芸店以外の場所で編み物キットを見つけた記者が、初めての編み物に挑戦しつつブームの背景を探った。

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今年に入ってから若者の間で大流行する編み物。ブームの背景は?/書店の本棚でも編み物キットが展開されていた(ジュンク堂書店池袋本店、4月撮影)

こんなところにも編み物ブーム……書店で毛糸が売っている?

 ある日、取材の前にジュンク堂書店池袋本店の実用書コーナーに立ち寄った記者。手芸書の棚には、編み物ブームということもありさまざまな書籍が並んでいた。中でも目を引いたのが『推し色で編むニッタオル』(辰巳出版)という編み物キット。書店の本棚で毛糸が売っている? 昔、あやとりの紐を編んだ(?)程度の記者に初めて “編み物をしたい” という意欲が湧いた。

『推し色で編むニッタオル』は、昨年6月に発売された『手編みのハンカチ ニッタオル101』(日東書院本社)から誕生した編み物キット。記者は書籍の発売から2カ月後にインタビューを掲載したが、その後も売れ行きは衰えず、昨年来の編み物ブームが後押しする形で現在7刷のヒットを飛ばしている。せっかくなので書籍の著者でもあり、ニット作家のmarshell(マルシェル)さんに、ニッタオルを編むポイントをレクチャーいただくことにした。

 編み物ブームについて「私は編み物教室の講師もしているのですが、 編み物をするのは本当に初めてという初心者の方も結構参加されているので、興味を持つ人が増えているんだなと感じます。書籍を見て “この作品が編みたくてきました” という人もいらっしゃいます」と語るmarshellさん。

 同キットを企画した日東書院本社の鏑木香緒里さんは、編み物ブームのきっかけを「韓国のアイドルグループ『LE SSERAFIM(ルセラフィム)』のSAKURA(サクラ)こと宮脇咲良さんが、SNSに編み物作品を度々アップして話題になりました。モチーフや色使いが昭和生まれには懐かしく若い人には新鮮に映り、編み物をやってみようと思った人が増えたのではないでしょうか」と語る。

 毛糸を提供したハマナカの島田優さんによると「特にかぎ針編みをする人が増えたなと感じます。店頭でかぎ針が売り切れたとか、ストレートタイプの糸が売れていて、売り場から毛糸がなくなってしまったという話をよく聞きます。手芸店に若い人が詰めかけるという状況は、私もここ十年くらいで初めて見かけましたし、フリーで配信している編み物レシピのアクセスも増えています」とのこと。

編み物キット『推し色で編むニッタオル』(辰巳出版)
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