デビュー15周年の三代目JSB「雨が止めば、虹がかかります」念願の単独スタジアムライブに2日間で10万人

 

 ØMIが「改めて皆さん、三代目 J SOUL BROTHESです!」と挨拶し「ここまで楽しんでくれてますか!」と尋ねると当然の大歓声。「晴れましたね」とつぶやいた後「今日は感謝の気持ちをしっかり伝えて、最後まで1つになりましょう!」と伝え「次の曲も一緒に歌っていくよ。準備はいいか?」から『Feel The Soul』に。「一緒に歌って」「MATEの声聴かせて!」とØMIが言うと、全体から歌声が聴こえた。メインステージのモニターに歌詞が表示されていたが、観客の大半の目線はパフォーマンスが行われていた後方のステージ。それでも見事に歌われていたのは、楽曲そのものの良さがしっかりMATEに根付いている証拠だろう。またアリーナにはカラフルなバルーンも投げ込まれワクワク感が増幅。パフォーマー5人も、ゆっくりムービングステージの上から全方位に手を振って、そして目を見て感謝を伝えていた。完全に全員の魂のチューニングが合わさっている無敵のスタジアム。「もっともっと俺たちにぶつけてください!」という『Yes we are』のコールアンドレスポンスも完璧な連携。次の『(YOU SHINE)THE WORLDでメインステージに戻り、歌い進めていくと「さぁタオルの準備、そして濡れる準備できてますか!」とØMIが伝え、スリーカウントで大量の水がセンターステージからスプラッシュ!驚きと「これを待っていた!」という反応が良い意味でもみくちゃとなって、さらにテンションが上がる会場。曲終わりにもう一発噴射され、改めてその量と吹き上がった高さにざわめきがしばらく止まらなかった。

 ざわめきの中、モニターに彼らの軌跡をまとめた映像が流れ出す。2025年から1年ずつ遡っていき、2010年のデビュー年まで遡った後、ステージで披露されたのは『Best Friend’s Girl。デビュー曲だ。メインステージ上に設置された階段の上で、衣装も着替えたメンバーがパフォーマンス。しっとりとした曲調にØMIの甘美な歌声とパフォーマーの指先まで情感たっぷりなダンスはマッチし、この15年で磨き上げたものを感じさせた。『On Your Mark〜ヒカリのキセキ〜でも、そのしっとりさは継続。アッパーなチューンとは違う、NAOTOや小林の背中が語るダンスにも引き込まれた。もう陽もほとんど落ちたこの時間帯、『SO RIGHTでの光の演出も合わないわけがない。『Go my way『Kiss You Tonightではメインステージの両端に移動しながらパフォーマンスし、移動の際にはカメラに向けてサービスも。続く『Alwaysでピュアな空気感を作った後、大きく映し出された夕日の映像をバックに「みんなこのイントロを聴けば分かるよね?みんな一緒に歌おう。アリーナも、スタンドも、誰も置いてかないよ。一緒に行こう」というØMIの言葉から『君とならへ。アコースティックサウンドに観客の大合唱が乗るとメンバーから「さすがMATE」という表情を引き出す。一面オレンジ色に染まるスタジアムの景色は圧巻。終盤、ØMIは〈信じられる”MATE”となら〉と歌詞をアレンジするような場面も。

 続いてムービーには花火の映像。それに合わせてライトスティックも反応し、和のBGMが流れると、ムービングステージでサポートダンサーが扇子、メインステージでは和傘などを用いて、情熱的なパフォーマンスを披露。一気に空気が変わ、花火の音が物寂しさを帯びてきたところで『花火へ。代表曲の1つでもあるセンチメンタルなバラードが会場を染め上げた。

 ピアノの伴奏をBGMに、ØMIが「楽しんでくれてますか?」と尋ねた後「とうとう迎えましたね、この日を」と語りかけると大きな拍手が起こる。往年のナンバーが続いたここまでの流れを振り返り、「懐かしみました?」「皆さんに思いを伝えるセットリストになってますので、どうか最後まで楽しんでください」と伝えた。開催するにあたって、ステージに立った意味、巡り会い、沢山夢を叶えてきたこと、生きてきた証、今日までのMATEのことも考えて「自分たちの歩んできた人生を、今でなら見せたいと単純に思って、このステージに立とうと決めましたし、みんなのパワーもあって、この雨男にも勝ちました。完敗です」とMATEを讃えながら思いを届けた。そして「いろんな節目で歌ってきた曲」と説明し、『次の時代へを披露。アカペラで1パート歌うと会場に温かな音の波が広がる。照明も最小限で、演奏もピアノのみ。ただただØMIから生まれる美しく雄大な歌のエネルギーを味わった。

 続く映像パートではパフォーマーメンバーを動物に模したキャラクターが活躍。恐竜に立ち向かう姿をコミカルに描き、笑いを誘っていた。最後にはキュートなキャラクターがCGのタッチも変わって恐竜に負けない強い姿に大進化!NAOTOを模したカワウソは……かわいいまま!