鳥類の名演技に涙するとは、思わなかった!実話をもとにした映画『ペンギン・レッスン』が、感動的すぎた【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】
黒田勇樹です。
映画『もしも僕の彼女が妖怪ハンターだったら。。。(仮)』の特別上映&トークショーが11月20日に秋葉原のBECKアキバでありまして、黒田は國米修市監督とトークショーを行います。
20日の昼くらいまでにこのコラムをご覧になってくださった方はぜひお越しください!
20日の夕方以降にこのコラムをご覧になられちゃった方には「トークショーをやってきました!」とのご報告です。
では今週も始めましょう。
ペンギン。可愛いことは皆様御存知でしょうが、どこかドジで間抜けなところもある「飛べない鳥」。今回観た『ペンギン・レッスン』は、もう、なんか「ペンギン!」って、感じの映画でした。
頭の悪い文章だと思うでしょうが、観たら絶対最初の一言は「ペンギン!」って、言うと思います。賭けてもいい。
クーデターが起こり、混乱するアルゼンチンを離れるために行ったウルグアイで「重油まみれで沢山のペンギンが死んでいる中から生き残りを1羽みつける」というところから始まる、英語教師とペンギンの友情ストーリー。何を言ってるかわからないでしょう。
でも、この映画、ほぼ実話で、観る限りあらすじもこの通りだったんです。日本の映像界隈でも「子供か動物出しとけば、面白い」と言われていますが、流石に、調教できる犬、猫、馬、ぐらいまでが筆者の認識の中では「映像に出せる動物」です。ペンギンって!確かに動物園とかで行列で歩いたりしているので、何かしらのコントロール方法があるはずなんですが、本作でファン(ペンギンの名前)を演じた2羽のペンギンたちとのコントロール方法は、主演のスティーヴ・クーガンさんが「仲良くする」だったそうです。
なにそれ、エモい!? ムツゴロウさんのやり口!!
でも、その仲の良さが、画面からにじみ出ていて監督も「ペンギンたちに任せよう」と、彼らを見守っていたそうですし、想像以上の演技をしてくれたカットもたくさんあったようです。
「ペンギン!」是非、この映画を観終わった後には、大きな声で行ってみて下さい。
もう一つ言及しておきたいのは「正面からのカットが多いこと」。映像には「イマジナリーライン」という、カメラを置く位置を計算するルールみたいなものがあるのですが、これを丁寧にやると斜めに写すカットが多くなりがちなのですが、この映画は、真正面からのカットがとても多かった。
多分「事実である」という、出来るだけ制作側の主観を入れないという意図と「ペンギン、すぐキョロキョロするから、目線とか気にしてたら終わんないぜ!?」と、いう制作側の叫びも伝わってきていた気がします。
不幸な時代を描いているはずなのに幸せな気持ちになれました。ペンギンが好きでも嫌いでも戦争に反対でも賛成でも「そんなことペンギン観てればどうでもいい」と思えるスーパーな傑作でしたので、是非皆様、劇場へ!!

