宮沢りえ、イッセー尾形の絶賛に「作品の魔法にかかった」市川準の名作『トニー滝谷』が復活
21年ぶりの劇場上映に喜ぶ宮沢りえ(左)とイッセー尾形
宮沢が「(監督から)“本当に巧みなことは分かるから、いつものイッセーさんを捨てて” と言われていたから衝撃的で。イッセーさんにそんなことを言う方はなかなか……」と驚くと、尾形は「今までは1回でOKだったのに映画に入った途端にダメで、何でダメなのかは言われない。“ダメだな、俺は” と思って椅子に座ってくるくる回ってたら市川さんが “それ!” って(笑)。分かんなかったですね」と苦笑い。
お互いに一人二役を演じているが、尾形は宮沢の演技を「僕は外見を変える演出が多かったので物理的に変えられるけど、りえさんが演じたA子・B子は内面を変えないとできない」といい「B子がA子のかつての衣装部屋で洋服を選ぶシーンがあるんですけど、B子を連れてきてドアを閉めるとずっと外で待ってなきゃいけない。中で何が行われているのかと思う、永遠に近いくらいの時間が流れて “OK” って。一発OKで準さんが出てきて “いや~、りえは天才だ” と」と絶賛。
宮沢は「みんながこのシーンをどう成立させるのか、確かな答えがないまま本番が始まったけど、私が作品の魔法みたいなものにかかったんだなと思う。始まる前はB子がどういう感情で泣くのか分からない、理解できない状態で監督自身も “僕も分からない” とおっしゃって。後にも先にもあんなふうに曖昧に始まって、グーッと集中していく時間は本当になかったし、それがとってもうまくいった時に監督が嬉しそうで」と振り返った。

