むしろゆりあんが邪魔!ゆりやんレトリィバァ初監督作品『禍禍女』が、傑作Jホラーだった!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】
最近はXとかAIとかで遊んでいます。こういう遊びをしていると、生身の人と遊ぶ時にそのギャップで燃えられそうと思って遊んでいる…わけではないです。
まあ、どうせ遊ぶならいいお友達にならないと、と思う今日この頃です。
では今週も始めましょう。
お笑い芸人ゆりやんレトリィバァさんの初監督作品『禍禍女』を、観て来ました。
別ジャンルの実績をもとに、助監督などの経験を積まず、いきなり飛び級で監督をするという「野性の映画監督」(勝手な呼び方)は、筆者の土俵でもあるので、観ないわけにはいけません。
傑作でした。とても良く勉強されているというか、映画を愛していないと作れない純度があったと思います。
恋愛にまつわるホラー映画なのですが、まあ、これは観てもらえばいいのであらすじはすっ飛ばします。タイトルでだいたい分かるでしょう。
前半で「これでもか」というほど、Jホラーと括られる映画群のオーソドックスなホラー演出をやりまくります。
「ドアから手がバーン」とか「いないと思って振り返ったらいる」とか「子供」とか「馬鹿っぷる」とか、書いてたらきりがないレベルで“テンプレ”を舐め尽くしていきます。
ここまででもかなり楽しめるのですが、主人公である南沙良さんがブチ切れ始めてからが本番。
後半はミュージカルになったり、目まぐるしく「ジャンル」を飛び越えた演出の連続になるのですが、これが音楽でいうミクスチャーとかマッシュアップの様に綺麗に整っている。
「やりたいことを全部やる」では、なくて「やりたいことを全部やれるパッケージを作品として成立させる」、これこそが映画監督の資質だと思うので、完璧にゆりやんさんは「監督」でした。
で、じゃあ、なんでその人のことを邪魔だというかというと、筆者個人の意見ですが「誰が撮ったか、知らないで観たかった!」んです。
かなりエロやらルッキズムなども扱われていて、売れっ子の初監督作品なので「本人の体験を元に」みたいなプロモーションがかなりされていて、観ている間、それがちらついてしまうというか。ジェットコースター乗る前に、作った人の顔思い浮かべたくないでしょ?。
絶対に、背景無しで観たほうが楽しめる映画でした。
海外の方が評価されているっていうのもよく分かる。
ひとつだけ文句を言うとすれば、ラスト「そんな辻褄合わせしなくていいのに」のみです。
賛辞を述べるとすればミュージカルシーン。周りは笑っていたのですが、女性にだらしない筆者にとっては、これほどもないホラーシーンでした。
総じて「タレントが撮ったから皆が社交辞令で褒めている」系の映画ではない、純然たるJホラーなので、是非、劇場でご覧下さい!

