囲碁、やりたくなっちゃった!映画『361-WHITE AND BLACK』が、とってもオシャレでポップだった!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】
黒田勇樹です。
もう春が来たと思ったら、また冬に逆戻り。でも花粉症の人はぶるぶる震えながらも大喜びというカオスな日常になっているようですね。
なんか世の中が騒がしいようですが、取り敢えず一歩下がっていろいろ見ておこうと思っている今日この頃です。
では今週も始めましょう。
「囲碁の映画」、というだけで身構える人も多いのではないでしょうか? どうしても伝統文化を扱うと「古臭い」とか「堅苦しい」とか、そういったイメージがつきまとうと思うのですが、皆様、忘れないで下さい。
去年、世間を圧巻した「国宝」は、歌舞伎。百人一首を題材にした「ちはやふる」も大ブームを起こしました。囲碁に関しても「ヒカルの碁」という漫画・アニメがヒットした際には小中学生の間で大ブームを巻き起こしました。
「伝統として残っている文化は面白い!」
これは、間違いない事実なのです。
今作は「1億円をかけた囲碁ゲーム」を舞台に「少年時代を共に過ごした囲碁仲間たちのイマ」を描いていく作品。
ぶっちゃけ、王道につぐ王道!
「この関係性で、このストーリーだったら、こうなるよね!」をやり尽くしていくのですが、その描き方がとてもポップで丁寧で、非常に楽しめる作品になっていました。
筆者にはいくつか「映画を観る際のチェックシート」があるのですが、それをことごとく塗りつぶしていってくれました。
チェック1「最初の1分が面白いかどうか」。
絵もきれいでテンポよくストーリーが進んでいき、インパクトも十分。
チェック2「いつ、物語のコアがわかるのか」
これは最初に提示しても、ラストの一言でわかってもいいのですが、そのタイミングが「どれだけ作中で機能しているか」が重要。
今作は、まごうことなく「囲碁は楽しい」が、コアでありそれが明かされる瞬間のカタルシスはとても美しいものでした。
チェック3「ひとりよがりではないか」
ここが、一番難しい。監督というポジションは最終的に、ひとりでよがらなければいけない。しかし、それが誰かのためでなければいけないという大きな矛盾を抱えています。
本作の大山監督とは、何度か酒を酌み交わした程度の間柄であり、どちらかというと敵対視しているのであまり褒めたくないのですが「我を消して、自分の持てるスキルを全て発揮する」をやり遂げていらっしゃいました。
その上で、小さなギャグから、エキストラの配置、そしてなによりも特筆すべき「ベテランおじさん俳優の使い方」の上手さ!渡辺いっけい、羽場裕一、金田明夫並べたら、その辺の若い監督なら、とって食われて自分の作品にされちゃいますよ!
どうしても、こういう若者のストーリーにベテランが出ると制作陣の忖度なのか悪目立ちすることも多いのですが、それが一切なかった。
技術と人間関係の成せる技でしょう。
サスペンスなどの助監督を長くやられていたそうなので、その辺のきめ細かさがとても綺麗に作品を彩っていました。
なので、その全てが転じて「監督のカラー」として画面から滲み出ている気がしました。
「ああ、囲碁やってみたい」、そんな純粋な気持ちにしてくれる素敵な映画でした! 是非劇場へ!

