震災に向き合う今こそ“小さな主語”で熊本の今を伝えよう―堀潤氏がくまモン記者団に記者の心得伝授

 

 ジャーナリストの堀潤氏から、一人ひとり名前を呼ばれ、くまモン記者団に任命された子どもたち。任命式のあとは堀氏による授業がスタート。

 世界各地の市民記者が参加するメディア「8bitNews」を立ち上げ、自らも世界中の現場をめぐる堀氏。「メディアという言葉の語源は“ミディアム”から来ていると言われています。つまり、常に“真ん中”にある、ということです。賛成という人、反対という人、正しいと思う人、間違っていると思う人…いろんな人の真ん中にいて、いろいろな意見をきくのがメディアだと思います」と語ると子ども記者たちも「メディアとは何か」という意識に触れた様子。

 その後も堀氏は「ニュースとは何のためにあるのか、日記や小説とは何が違うのか」「意見と事実はどう違うのか」という問いを子どもたちに与え、自身の取材経験を交えて語りながら、“記者の心得”をレクチャー。

「意見と事実との違い」を考えるくだりでは「ここに水があります」は“事実”だとすぐに分かった子どもたちも「この水は冷たい」は事実か、意見かと聞かれると、迷う様子。すると堀氏は「そういうときに“この水は10度以下です”といった、数字などの客観的事実を調べるのも記者の仕事。事実を語るというのは、実はとても面倒くさくて大変なことですが、記者団のみんなはきちんと確かめてほしい」と語り、子どもたちもどんどん“記者”の表情に。

 さらに堀氏は、物事をひとくくりにすることで、そこに当てはまらない人の声を見落としてしまう危険について語った。考え込んで静かになった子どもたちに「“くまモン記者団は少し元気がない”と言われたらどう思いますか? 人それぞれ、そのときどきで違うものですよね。大きい主語で語ってしまうと、見落としてしまうことがある。だからぼくは、小さい主語にいつも意識を向けるようにしています。“われわれは”とか“日本は”とか“熊本は”よりも、皆さんはまず小さな主語を見つけるんだという思いで取材をしてみてください」と、小さな主語で事実を伝える大切さを語った。

 講義の後、記者団は実際に会場周辺で“取材”に挑戦。各自、配られたスマホで「安心」をテーマに写真を撮影し、なぜ「安心」というテーマで、その写真を撮影したかをリポート。最後に堀氏は「地域のみなさんがなかなか言葉にできないことも、皆さんが“メディア”として真ん中に立って伝えていってください」とエールを送っていた。